僕が大学を卒業してから医療職に就くまでの経歴は以下の通りです。
① コンピュータ会社に就職
② 体外診断薬メーカーへ転職
③ 新規事業に伴う別会社への転職〜退職
④ 紆余曲折の黒歴史
⑤ 病院へ転職
現在は、⑤の病院へ入職後のお話しです。
病院で事務職をやっていた僕が、通所リハビリテーションに異動して1年が過ぎた頃。
作業療法士が施設長として着任してきました。
それをもって、僕の責任者の代行は終了となりました。
キツかった1年。
それから、施設長に重要な仕事を引き継いだり。
施設長を伴って馴染みの居宅支援事業所への挨拶まわりをしたり。
施設長の名刺に作業療法士という文字が入っているのを目にした時は、羨ましい気持ちも。
作業療法士の施設長を迎えた現場スタッフの受け入れは良好で、1年前の僕との違いを見せつけられました。
彼は作業療法士としても申し分ない経験を積んでいます。
まさに、適材適所の良い人事だと思いました。
一方、僕はといえば…
その後のポジションを考えた時に、心穏やかではいられませんでした。
「事務系統の流れをスムースにして介護スタッフが介護現場に専念できるように」と、僕は通所リハビリテーションに残ることになったのです。
「これからずっと、事務をやりながら人手が薄い現場に入りながら、あれこれやりながら働くスタイルになるのだろう」
なんて考えました。
そして、考えれば考えるほどに、
「自分は器用貧乏な便利屋みたいだな」
と自嘲的な気持ちに苛まれたのです。
自分の専門を持たずに色んな業務をそつなくこなす…カッコよく言えば「ゼネラリスト」もひとつのスタイルだと思います。
しかし、自分はそれではダメだったのです。
病院に入職するまでの、なんら専門性を身に付けないまま転職を繰り返してきた過去の自分
いろいろ出来るけれど、これといって特徴(武器)のない自分
の繰り返しのような気がしたのです。
自分の職業人としての底が見えたようでした。
「これでいいのか?」
自問自答を繰り返しながら、それまでご縁があった言語聴覚士のKさんをはじめとする専門職の皆さんの顔が頭の中をよぎりました。
そして今まで、幾度となく頭をもたげては打ち消してきた
「スペシャリストとして、医療・介護の現場に関わりたい」
という想いが、あらためて『強烈に』湧き上がってきました。
その後、家族への相談を経て、僕の国家試験合格に向けたチャレンジが、一気に現実味を帯びてくるのです。
45歳の秋でした。