僕が大学を卒業してから医療職に就くまでの経歴は以下の通りです。
① コンピュータ会社に就職
② 体外診断薬メーカーへ転職
③ 新規事業に伴う別会社への転職〜退職
④ 紆余曲折の黒歴史
⑤ 病院へ転職
現在は、⑤の病院へ入職後のお話しです。
僕が病院勤務になって、毎年欠かさずやるようになったことがあります。
子供の頃は学校で毎年やってました。
大人になってからやらなくなったこと。
それは、インフルエンザの予防接種です。
先般からの厄介な感染症の流行で、任意の予防接種を含め、状況に応じたマスク着用、手洗いの励行などは生活の中での常識になりました。
当然ではありますが、病院ではそうしたことがずっと当たり前でした。
おかげさまで、僕も、すっかり感染対策が身についてしまいました。
しかし、20年前の病院入職当時は、院内の感染対策を目の当たりにして「ここまでやるんだな」と感心したことを覚えています。
例えば、感染症を予防する感染対策委員会、医療事故防止目的の安全対策委員会、患者様へ安全安心な食事を提供するための給食委員会などです。
そして、医療職・事務職を問わず、各部署で委員を選出して、委員会活動を行い、月の一度の会議をへて、さまざまな取り組み、その効果、反省などを部署内で周知徹底していました。
当時の僕は、感染対策委員会に所属していました。
そこでは、普段の業務における感染対策に加え、季節性の感染症についての対策が話し合われていました。
夏場の食中毒や冬場のインフルエンザ・ノロウィルスなどです。
高齢の入院患者様がこうした感染症に罹患すると生命に関わってきます。
また、飛沫感染・空気感染・接触感染といったあらゆる感染経路を取りますので、感染者がひとり出ると、隔離などの対策を打って院内に拡げないように努める必要があるのです。
感染者が増えると余分な人手が取られ、病棟業務を圧迫します。
また、職員が感染すると数日間の出勤停止。
勤務調整が大変になり現場に混乱をきたすのです。
こうした「疲弊した医療現場」は、例の感染症の流行の悪影響として、報道でも取り上げられていましたね。
ですので、1年365日を通して、緊張感を持って感染対策に取り組む必要があるのです。
僕は、病院職員となって意識が変わりました。
まず、手洗い(手指消毒)の回数が劇的に増えました。
そして
インフルエンザ対策としては
・予防接種は毎回受ける
・マスク着用
・冬場の人混みは避ける
・起床時、帰宅後、就寝前のうがい
ノロウィルス対策として
・肉料理はしっかり焼いて食べる
・冬場の魚介類や刺身はなるべく避ける
というふうに生活習慣を修正してきました。
これらのことは程度の違いはあれ、同じようなことを医療職はみんなやっています。
自分を守ることは、患者様を守ることにもなります。
自分がキャリアになってウィルスを院内に持ち込まないためにも大切なことなのです。
感染リスクを少しでも減らす生活。
ここ数年の例の感染症の流行によって、そうしたことが社会全体に求められるようになりました。
今回の感染症については、2019年12月に中国の武漢で第1例目の感染者が出ました。
その後、この厄介なウィルスが日本にも入ってきました。
そして現在も継続して定期的な流行の波が押し寄せている状況です。
夕方のニュースでも「第8波?」と字幕が出ていました。
僕らは、既に2年以上も感染症と共生する生活を強いられているのです。
その間ずっと、旅行や外食などを控えるといった我慢の生活を送っている医療職の仲間が沢山います。
現在の感染者数は、ある程度落ち着いているようにも見えます。
しかし、次の波や冬場のインフルエンザ流行の懸念と併せ考えると、油断できない日々が延々と続くのでしょう。
僕は医療職に身を置いていますので、医療業界のことで言及します。
国でも自治体でも、どこがやっても構いませんので、
「医療従事者が安心して勤務できるような制度」
を整え
「感染症にしっかりと立ち向かえる環境」
が構築されることを切に願っているのです。