僕が大学を卒業してから医療職に就くまでの経歴は以下の通りです。
① コンピュータ会社に就職
② 体外診断薬メーカーへ転職
③ 新規事業に伴う別会社への転職〜退職
④ 紆余曲折の黒歴史
⑤ 病院へ転職
今回は、④→⑤の時のお話しです。
④の渦中で紆余曲折しながら、一日も早く、この「将来が描きにくい不安定な状況」から抜け出したいと思っていました。
成り行きでそうなったとはいえ、個人事業をやるには経験も知識も覚悟も足りてませんでした。
自分は、再び組織の元で働くことを望んでいたのです。
そんなある日、自宅近くの病院が、男性事務職員を募集しているという情報が。
医療関係はこれまでの職歴において、少なからず関わりがあった業界でもあります。
しかも、そこで働く職員の大半は有資格の専門職、いわばスペシャリストの集団です。
あの
「ピリッとした独特の空気の中で仕事をしたい」
と切に願い、同時にワクワクしました。
芥川小説の『蜘蛛の糸』に出てくる犍陀多(カンダタ)の如く、一筋の輝く糸が垂れてきた時の心持ちになりました。
迷うことなく、応募しました。
面接の時に
「複数回転職を繰り返す人間の採用には躊躇されると思いますが…」
と前置きして、自己アピールしたところ、
僕の転職については、
「たしかにそうかもしれませんが、いろんな捉え方ができますよ。」
と言っていただいたことが、今でも心に残っています。
そして採用が決定しました。
ちょうど、街にはクリスマスキャロルが流れるシーズンで、天からのプレゼントを貰った気分でした。
新卒に戻った気持ちで、蜘蛛の糸が切れないようにしっかりやっていこうと心に誓いました。
そして、年明け早々に僕の病院勤務が始まりました。
この転職が、その後の自分の人生を大きく変えるきっかけになるとは…
当時の自分は、知る由もありませんでした。