就職当時はパソコンはまだまだ高価な電子機器でした。
自分で持っている人は少なくて、パソコンオタクだとかネクラだとか言われていました。
パソコンのOS(オペレーティングシステム)はWindowsの前身のMS-DOSで表計算ソフトはロータス123が主流でした。
いまではエクセルで簡単に作れる表計算を、夜を徹して、COBOLという言語でプログラミングすることもしばしば。
そんなパソコンがフツーに端末として使えるようになるのは、もう少し後のことです。
当時は、オフィスコンピュータにケーブルで専用端末を必要台数繋げて運用するのが主流。
無線なんてなかったので、大病院では配線が大変でした。
クライアントサーバーシステムという言葉が生まれた頃です。
仕事内容は、受注ユーザーのオフィスコンピュータに、システムソフトを納品し、運用管理するといったものでした。
その内容は多岐に渡り
・納品前の打ち合わせ
・システム変更
・プログラム修正
・テスト運用から本稼働の立ち合い
・納品時の工事の手伝い
・職員さんへの運用指導
・アフターフォロー
とたくさんのことを経験しました。
特に操作指導は、当時ならでは!の大変さがありました。
電話対応時にはキーボード入力して頂くために、該当キーの場所を口頭で
「上から2番目の列の左から3番目の『い』のキーです」
なんて受話器越しにやっていました。
タイピングできる人が稀だった昭和〜平成の変わり目の頃。
ローマ字でなくカナ入力が主流で、ほとんどの人が人差し指を使っての入力です。
しかも、一音ずつ声に出しながらタイピング。
その頃世代の人は、キーボード初心者ばかりでしたので、それが普通でした。
キー操作が上手くいかない時は、よく電話がかかってきまして…
その時のお客さまの第一声は決まっていて…
それは、
「コンピュータが壊れた」
でした。
事務処理ではまだまだ手書きが多く、キーボードがそれほど普及していなかった頃の、
ほんとにあった怖い話です。