この場所
今日みたいに 湿度もなく
Ｄａｈｌｉａの店内にも陽が入ってくるようになって
ちょっと秋を感じる日になると
Ｄａｈｌｉａのこの場所に出会った日のことを思い出します
前の会社を９月末に辞めると決めて
物件を探していた
ちょうどお盆休みのころ
１つちょっといいなと思った物件がありました
場所はここではなくて
大町
ある程度の店内のイメージも出来たから
そこにしようと思い不動産やさんにお願いし
仮契約をして
ややホッとし
店内のレイアウトも考えていました
夏休みが明けて 朝の出勤の時に
丁度電話がかかってきた
不動産屋さんだ
「あのー 先日の物件なんですけど
大変申し訳ないのですが 大家さんからキャンセルのお願いをうけまして。」
えー！
青になった横断歩道
残念すぎて暫くそこに佇む自分
会社を辞める日はもうすぐ
一体私はどうなるのか・・
８月も終わりになるころ
でも信じて 自分のお店で扱う作家さんとの打ち合わせは続けていました
カラッとした今日みたいなお天気の日
その日は 青木 恵理子さんと
長谷のベルグフェルドで打ち合わせ
作品の写真を見ながらお願いしたいものを伝え
打ち合わせも終わって
外に停めておいた自分の自転車を見ると
なんと無い
えー！
サビサビの自転車は鍵が外せなかったので
そのままお店の前に置いていた
夏のこの季節 きっとどこかの若者さんが
海まで自転車でいったのだろう
と、どこかにあるはずと信じて
海岸線をずうっと歩き
街を歩き
そしてもう一度長谷の方へ戻って来た時
長谷駅の切符売り場の前に
ポツーン
と捨てられたわが自転車を見つける
あー！
嬉しくてホットして 愛着がわいたサビサビの自転車に乗り込む
せっかくだし
ふらふら自転車にのって知らない道でも行ってみようかな
と長谷から商店街を通って 六地蔵の交差点を曲がってみる
今まで通ったことないこの辺り
とその時
半開きのシャッターに
貸物件の文字
あっ！！
お店を出す場所は
ちょっと人混みから外れた場所が希望でした
お客様とゆっくりお話しもできて
お客様にもゆっくり見て頂きたいな
と思っていたから
「ここならイメージ通りのお店が出来るかもしれない・・」
と看板に書いてある不動産屋さんに電話をする
「こんにちは 今すぐ物件を見せて頂けますか？」
幸いにも不動産やさんも近かったので
すぐに駆け付けてくれました
ガラガラガラとシャッターが開けられ
ムッとした空気の中に入る
丁度夕頃だったので
やさしい光が少し入っていた
１、２歩店内に入ってすぐに
もう自分のイメージが湧いてきた
「ここ 契約させて下さい！」
とその日に決めたのでした
あれから今年で１３年経つけれど
まだその日のことは覚えている
自転車が盗まれていなかったら
この場所には出会えなかった
初めの物件の大家さんに断られてなかったら
出会えなかった
ありがたーい めぐり合わせ
その時は 周りにはお店がなくて
お店の前はボロボロのコインパーキング
あれからずいぶん変わったなあ
懐かしさに浸るのはあまりすきではないけれど
また今年もあの夏を振り返って
その時の自分の気持ちを大事にして
また次の季節に進んでいきたいと思います
Ｄａｈｌｉａ
鎌倉市由比ガ浜１－９－４
１１：００～１９：００
月曜定休 祝日営業翌日休み
臨時のお休みはＦＢなどで告知いたします