2009.04.10-07.12
アートグミオープニング企画展「山本基×村野藤吾展」
@金沢アートグミ
銀行に併設された新しいギャラリー。
小京都金沢にぴったりなステキな佇まいです。
…いろんなお土産ショップやら飲食店が一緒にあったから、
ギャラリースペースにたどり着くまでに迷子になった。笑
作品は、山本基さんという作家さんのもの。
部屋中一面に、真っ白なサクラの花びらが散りばめられてます。
…が。
これ、なんと全て塩なの。
塩を、1枚1枚サクラの花びらに型取って重ねてるんです。
もぅ…溜息がこぼれるよ。
展示はこれひとつだけなんだけど、
10分くらいまじまじと、そしてボーっと見てしまった。
サクラの花びらも、塩でできたこの花びら自体も、
フーっとしたひと吹きで全て崩れてしまうという脆さと儚さ。
よいですね。
制作過程の映像を見たんだけど、気が遠くなるような地味で同じ作業の繰り返し。。。
根気との戦いですね。
すごい。
…会期が終わると、これも全てザーーーーーっと…
跡形もなく、ただの大量の塩の山になってしまうのか。
と思うと、本当に現代美術というかインスタレーションってものは、
身体表現じゃなくても一種のEVENTだなーと思う。
そのカタチに残らないってところが魅力のひとつでもあるんだけど。
卒業制作と戦ってた日々を思い出したね。
メモ
2009年4月、北國銀行武蔵が辻支店3Fにアートセンターをオープンさせる金沢アートグミのオープニング展覧会。
山本基は、塩を素材に用い、インスタレーションという手法で空間、または風景全てを作品化させる現代美術作家です。
床一面に塩で緻密な迷路を敷き詰める代表作「迷宮」シリーズで知られています。これに続く作品として位置づけられる今回の作品「桜」は、フォルムの柔らかさと題材の儚さに、作品世界の変化、あるいはその兆しを感じさせます。
塩でかたどった桜の花びらを幾層にも重ねていく過程で山本が出会った記憶、願いが、そこには込められています。
展示会場となる北國銀行武蔵が辻支店は、日本を代表する建築家・村野藤吾(村野藤吾)が設計した美しい建物です。
当時の面影を極力保存したまま、近江町市場のリニューアルと同時に新たな市民交流の場として生まれ変わります。
再開発が進む「武蔵が辻」という場所を舞台とした今回の展示は、個々の微小な粒から成り立つこの世の一瞬の結合、時の流れに押し戻されながらも絶えず繰り返される記憶、花びらが土に返り、塩が海に還ったその後の循環の予感を内包した、「ここにしかない」空間となるでしょう。
(引用)