天国の仰木監督

3年前の今日、今頃の時間でしたでしょうか？
仰木監督の訃報をネットのニュースで見て絶句したのは。

訃報を見て頭に浮かんだのは、2005年公式戦最終日のオリックス戦でした。
西武ドームでの試合後、オリックスの選手達がレフトスタンドに挨拶をしていました。
続いて仰木監督がベンチから姿を現しました。
私はライトスタンドに居たのですが、その時近くから「仰木！仰木！」という声が。
その声はすぐにライトスタンド全体の仰木コールに変わり、仰木監督はこちらに向けて帽子を取ってくれました。
勇退されるという話を聞いていたので、コールしながらなんだか涙声になりそうでした。
ベンチに消える仰木監督の姿を覚えています。
あれが最後だったなんて。

訃報のニュースを読んだ時に涙が止まらなかったのは、
西武ドームベンチ裏の長い階段を登れない程お身体が悪かった仰木監督が、
外野の出口にタクシーを呼んでグラウンドから帰られたと知ったからでした。

あの日、レギュラーシーズン3位で終わったライオンズの最終戦。
最終戦のセレモニー後のライトスタンドで、プレーオフに向けて私達は気勢を上げていました。
そんなファンが全員球場を後にして、照明を落とした西武ドーム。
その静まり返ったグラウンドを通って、ひっそりとバックスクリーン横の出口に向かう監督を想像した時、
たぶんその年で1番泣いたと思います。

スカイマークスタジアムでお別れの会があったのは翌年の1月21日。
たくさんのファンの方が球場へ足を運んでいるのをテレビで見ました。
神戸へ行けなかった私はその日西武ドームに行きました。
所沢は雪でした。
積もった雪の上を歩いて向かったのは、バックスクリーン裏。
監督が最後に通ったであろう外野出入口。
その近くにある柱に花を供えさせてもらいました。
楽しい戦いをありがとう、と仰木監督の魂が残っているかもしれない場所で手を合わせました。

今季、オリックスの躍進でパリーグは面白かったですね。
仰木監督が天国で喜んでいらっしゃることと思います。
そし仰木監督が作られた清原選手の花道も．．．

清原選手の引退セレモニーの挨拶。
声を詰まらせた沈黙の後の「天国の仰木監督！」と呼びかけるような涙声が、
本当に天国に届いているといいな．．．と思います。
いえ、きっと届いていますよね．．．(^^)