言霊について

(※オカルト・スピリチュアルな意味合いでの記載ではありません)

 

一時、頑張れという言葉が問題になったことがある。

 

励ます、奮起するイメージがあるので

ポジティブなワードであることは間違いないだろう。

 

今日も一日頑張りましょうとはよく聞くが

この発言の頑張れには特別な意味や力といった概念はない。

聞き流す朝礼の定型文のようなものだからだ。

 

しかし、発言者からは意図しないことであっても

受取手が頑張れの意味を考えたとき、

頑張れというワードが力を持ち始める。

 

『自分は頑張っていないと評価されているのか』

『これ以上まだ頑張れというのか』

『そう言うあなたは頑張っているのか』

といった解釈に至るのはわかりやすいかと思う。

 

これは発言者の主観に立てば

「そういう意味ではない、言葉の揚げ足をとるな」

となるが他意があったにせよなかったにせよ、

言葉が一人歩きしてしまった事実は変わらない。

何気ない一言が他者に及ぼす影響を考えた時、

言霊と呼ばれるものの外枠を見た気がした。

 

 

 

そういえば学生時代にヘマをやらかして

先生に随分と叱られた経験がある。

次から本気で頑張りますと先生に誓ったのだが

あっさりと否定され、こう言われた。

 

『頑張ると感情の無駄な起伏を増やすことに繋がる、

自分が頑張ってる時、他人が休んでいると許せなくなる、自分が休んだ時は、前に頑張った自分を誉めて正当化してしまう。お前は頑張らなくていいから平常でいろ』

 

頑張らない。が正しいかはわからないが

ともかくこれ以降、私は頑張るという言葉を使っていない。