※おしらせ
 裁判所職員の合格者説明会で仕入れた新たな情報を少しだけですが、8月31日に挙げた記事に追記しています。興味がある方はごらんください。




全体の雰囲気などについてはこちら


中央 男性 中年
左 男性 年配
右 男性 年配

裁判所職員と違って、面接官の関係性はわかりませんでした。

雰囲気は、裁判所のように厳格ではなく、試されている(もしくは圧迫されている)ような雰囲気ではありませんでした。

ただ会場は独特の緊張感がありました。




(1)中央

雑談。台風の話。

中「では、面接を始めさせてもらいますね。」

ダ「よろしくお願いします。」

中「では志望動機を教えてください。」

ダ「はい。私は、今年まで司法試験を受験してきたのですが、ずっと不合格続きでした。そういう経緯からよく友人に人生相談をしていました。友人は、参考にと、会社の話を聞かせてくれたのですが、内容はサービス残業等の話でした。友人らは自分の会社もそうだと、いわば、不幸自慢のようなことが始まり、飲み会が盛り上がっていました。 しかし、よくよく考えてみると、こういった違法な出来事を酒の肴にするという今の現状は、とても歪んでいるのではないのかと思うようになりました。そこで、こういった歪みを正したいと思い、労働基準監督官に志望しました。」

中「なるほど。では、理想の監督官像や抱負などありますか?」

ダ「はい。私は、理想としては、堅さと柔らかさを兼ね備えた監督官になりたいと思っています。堅さというのは、労働基準法などの法規への遵守を重んじることです。もっとも、サービス残業や賃金未払いが起こる場合、経営がかなり悪化しているとか、もう少しだけ時間があれば解決できるとか、法の知識が足りなかっただけというような場合も少なくないかと思われます。そのような場合に、画一的に、法規に反するからダメと、つっぱねることが必ずしも妥当な解決にはならないと思います。そこで、柔らかさ、つまり、柔軟な思考や態様をもって事案の解決を図ることも大事だと思います。」

中「労働基準法に反しているような会社の運用であっても、柔らかさをもって修正する必要がありますか?」

ダ「もちろん、許されない範囲はあるかと思います。柔らかさは、いうならば、裁量の範囲という限度があると思いますので、なんでもかんでも柔軟に対応することが正しいとは思いません。すぐさまに是正すべきな悪質な場合には、毅然とした対応をすべきと思います。」

中「わかりました。では、抱負はありますか。」

ダ「興味があるのは、司法処理です。司法試験では刑事訴訟法も試験範囲でしたので、そこで学んだ知識も活かせると思います。相談業務も労働法で学んだ知識や理解を活かすことで、迅速かつ的確に処理できると思っています。」

中「わかりました。ところで、答えにくかったらいいのですが、司法試験を受験されているとのことですが、もし合格していればどうしますか。」

ダ「今年の司法試験は、受験生活のけじめをつけるために受けたので、修習に進むつもりはありません。もし監督官に合格すれば監督官の道に進みたいと思います。」

中「わかりました。」


(2)左

左「他に就職活動していますか?民間とか公務員とか。」

ダ「はい。民間はしていませんが、公務員は裁判所職員を受験しています。」

左「選考は進んでますか?」

ダ「ついこの前に面接試験が終わりました。」

左「もし、両方通過できれば、どちらを選択しますか」

ダ「もちろん、監督官です。」

左「ありがとうございます。」

左「少し司法試験についてお伺いしたいのですが、来年以降も受験される予定なんでしょうか?」

ダ「いえ、来年以降は受けられません。なぜなら…(司法試験制度についての説明。特に受験資格のことについて。)」

左「なるほど。ということは、今年が最後の受験ということなんですね。」

ダ「はい、その通りです。」

左「職歴なしで、アルバイトとありますが、どのような内容ですか?」

ダ「喫茶店で働いております。」

左「よろしければ、喫茶店の仕事の内容や期間について教えてもらえますか?」

ダ「喫茶店では、コーヒーを入れたり、サンドイッチを作ったりする調理の他に、接客、会計業務、締め作業など、お店のことはほとんどしています。大学院卒業からなので、4年ほどしています。」

左「それほど長いならば、役職というか、バイトリーダーみたいな地位になっていたりしますか?」

ダ「はい、一応バイトリーダーをしていまして、発注業務やシフト管理、一日の業務報告なども担当しています。」

左「なるほど。では、そのようなアルバイト経験が、監督官として活用できることが何かありますか?」

ダ「はい。私は、正社員として働いたことがないのですが、その反面、アルバイトの実情を身をもって知っています。なので、アルバイトで何かトラブルや問題が発生した場合に、正社員や会社の立場だけではなく、アルバイトの立場になることもきっとできると思います。したがって、こういった視野を持っていることが監督官として活用できると思います。」

左「確かにそうかもしれませんね。はい、わかりました。」


(3)右

右「面接カードに最近興味を持ったことをいくつか書いていますが、この中で最も興味があるものは何ですか?」

ダ「その中でしたら、「女性活躍加速のための重点方針2015」を政府が決定したことです。女性の労働分野への進出は近時重視されていることですが、このように政府が方針を発表することは、女性の進出を後押しするのにかなり重要だと思います。」

右「なるほど。では、女性が労働分野に進出するために大事なことは何だとお考えですか?」

ダ「出産及び育児と仕事の両立です。最近、マタニティーハラスメントがあるとよく見聞きします。女性にとって、まぁ男性にとってももちろんですが、出産及び育児というのは大事なことですので、仕事をすることがそれらの障害となってしまうというのは、勤労意欲を下げてしまうように思います。そこで、経済的な援助もそうですが、法整備をしたり、広報活動を行ったり、監督官がマタハラをはじめとする嫌がらせなどを是正させることにより、出産及び育児と仕事の両立ができること大事だと思います。」

右「わかりました。話題は変わりますが、監督官は全国勤務もありえます。何か問題はありますか?」

ダ「いいえ、何も問題はありません。全国どこでもかまいません。」

右「わかりました。監督官の仕事は高所や悲惨な事故現場に赴くこともありますが、その辺は大丈夫ですか?」

ダ「はい、大丈夫です。」


(4)中央

中「話題が少し戻るのですが、司法試験を受験されていたのでしたら、他に、司法書士…とか、何か法律資格のいる仕事があると思ったのですが、そちらに方向転換しようとは思っていなかったのですか? 素人なので、あまり具体的に聞けなくて申し訳ないですが。」

ダ「一応、行政書士の資格は持っています。しかし、志望動機で述べました通り、監督官へのあこがれが強かったため、そちらの方面には方向転換しようとは思いませんでした。」

中「わかりました。」

中「法律を勉強してきたならば、法律を作るなどの本省勤務をするという選択肢も、現場で働くという選択肢もあるのですが、どちらが希望ですか。」

ダ「法律を勉強してきたため、法律を作ることに対して興味はもちろんあります。しかし、実際に起きている労働問題に触れて、紛争解決に携わりたいと思っていますので、現場に赴くほうに興味があります。」

中「ほう。わかりました。」

中「では、以上で面接終了です。ありがとうございました。」