常盤優我は仙台市内のファミレスで
一人の男に語り出す。
父親の暴力と
見て見ぬふりの母親という家庭環境で育った
双子の優我と風我。
そんな二人は誕生日の日になると
2時間ごとにテレポーションし
場所が入れ替わる。
そんな話をフリーで制作会社のディレクターをしている
高杉という男に語る優我。
そんな環境下で出会った一人の少女が殺されてしまう。
二人の心にこの出来事が焼き付いてしまう。
不思議なチカラと
猟奇的な殺人事件が混じり合った作品で
なんとなく読んでいると
「重力ピエロ」を思い出してしまう。
父親の暴力、
学校でのいじめ、
少女の殺害、
小学生の行方不明事件と
読んで不快に感じるダークな内容なのだが
何か期待させる感じがいい。
きっと中村文則なら
とことん不快にさせるんだろうなぁと思うのだが
伊坂幸太郎はファンタジーが救いになっている。
少し前まではなぜか不快感な作品ばかり読んでいたが
伊坂作品で前向きになったような気がする。😆(なったか?)
しかしまぁ
なんといいますか
伏線はすごいね。相変わらず。
ちょっと忘れそうな些細な出来事が
後になって武器となる。
これに毎度やられた!となる。
本作はそういう意味では傑作!
面白かったです。
☆☆☆☆☆