コロラド州の山頂にあるオーバールックホテルに

 

冬季閉鎖に伴い管理人として元教師で劇作家志望の

 

ジャック・トランスの一家。

 

そんなジャックはかつて

 

アルコール依存症であり癇癪持ちで

 

息子の腕を折った過去がある。

 

しかしそれをきっかけに酒を辞め

 

良き父として息子ダニーとの関係を守ろうとする。

 

ダニーもそんな父親が大好きで

 

母親以上に父親に依存していた。

 

それはダニーが〝かがやき〟の力で

 

父親の心を読み

 

努力し愛してくれていることを知っていたからだ。

 

そんなダニーの不思議な力に気付き不安を抱き、

 

ジャックの癇癪を気にし

 

息子の腕を折ったことを根に持つ母ウェンディは

 

離婚を考えつつも

 

アルコールを絶ったジャックに期待していた。

 

しかし仕事を失ったジャックが

 

劇作家としての復帰をこのホテルの管理中に

 

作品を仕上げるか否かにかかっていることにも

 

大きな不安を抱いていた。

 

ホテルでの生活は快適で

 

全ての不安が去ろうとしていたが

 

徐々に不気味な出来事が起き始める。

 

 

 

 

映画の印象があまりにも強い「シャイニング」だが、

 

スティーヴン・キング

 

納得していないことも聞いていたこともあり

 

原作と何が違うのかが気になっていた。

 

上巻ではほぼジャックの過去、

 

家族の出来事、

 

ダニーの〝かがやき〟のチカラのことが描かれ、

 

ホテルの面接を受けたことだけで終わっている。

 

つまり映画では描かれていない

 

それぞれのバックボーンが紹介されており、

 

家族の関係性を初めて知ることになる。

 

父親ジャックはジャック・ニコルソンのような

 

最初からヤバいイメージではないことがわかる。

 

正直上巻では話が進展しないのでイラっとする。

 

下巻に入ってもはかなかホテルでの生活は始まらず

 

始まったかと思えば

 

ほのぼのした日々でこれまた先に進まない。

 

ようやく事件が起き始めるが

 

ハチだのエレベーターだの

 

恐怖らしい恐怖はない。

 

ようやくジャックが暴れ始めるが

 

手にするのは斧ではなく木槌というインパクトの弱さ。

 

217号室の女性幽霊もインパクトが弱い。

 

どの場面もインパクトがない。

 

血飛沫もない。

 

双子の女の子も出ない。

 

ジャックが書いていた戯曲もそれなりに書いてあるし、

 

あまりにも映画のような恐怖はない。

 

そして重要な迷路もない。

 

そしてオチも違う。

 

唯一読んで良かったと思うのはつまらぬ上巻での

 

妻との関係性や根深いジャックの癇癪。

 

短気であることは映画でもわかるのだが、

 

その細かな内容で二人の関係がホテルに前からやばかったこと。

 

そして大きく違うのは

 

ダニーの〝かがやき〟のチカラが最初から描かれていること。

 

続編の「ドクター・スリープ 」で連呼される〝レドラム〟が

 

小説では最初から連呼され

 

この作品での重要な言葉である意味が明かされている。

 

で、

 

スティーヴン・キングがこの

 

スタンリー・キューブリックモードの「シャシニング」に

 

納得しないと言っているとかいないとかいうが、

 

私的には映画にならなければここまで浸透していなかったのでは?

 

と思う。

 

それぐらい小説のインパクトは薄い。

 

全く恐怖を感じない。

 

さらに全く原作とはイメージがことなるジャック・ニコルソン

 

ウェンディ役のシェリー・デュヴァル

 

正解だったような気がする。

 

そういう意味でキューブリックの色付けは正解であり

 

感覚的にも原作を超えた世界観を作り出したと思う。

 

原作に登場するライオンが恐怖感感じないし。

 

とにかくインパクトに残るシーンは

 

原作にはほぼないという感じなのが

 

映画の仕上がりに良い感じになったと思う。

 

たまには映画との比較として

 

原作を読むのも悪くないと思った次第である。

 

 

☆☆☆