幹子は今日彼氏である阿部冬馬から

 

別れを告げられることを知りながら

 

メイクをし出かける準備をしている。

 

そんな太りの間に子供ができる。

 

結婚し二人の間に夕子が誕生する。

 

現実離れした夕子の可愛らしさに

 

幹子は夕子を通販カタログのモデルにする。

 

それがチーズ会社の目に留まり、

 

生涯専属でCMに起用したいと言ってくる。

 

これが話題となり、

 

夕子は大手芸能事務所に所属することになる。

 

忙しい仕事と学業を両立しつつも

 

充実した日々を送る夕子。

 

そんな夕子が初めて恋をする。

 

それは転落への始まりだった。

 

 

 

綿矢りさの作品は「インストール」で

 

類を見ない文章のキレイさに衝撃を受けたのだが、

 

本作もその文章のキレイさは変わりない。

 

そんな文章に対するこだわりはない私が、

 

表現、言葉のチョイスに

 

キレイだわ💕と思ってしまうから不思議だ。

 

本作は芸能界で天国と地獄を見てしまう

 

10代の少女を描いている。

 

それも別れたがっていた父親と

 

別れたくない母親の

 

策略によって誕生した過程から。

 

純真無垢な娘夕子の

 

波乱な10代が足速に描かれ、

 

あっという間に高校生まで成長する過程は

 

とかく抜粋、抜粋、抜粋で進行する。

 

驚きのスピードである。

 

正直、このストーリーに

 

目新しさはに。

 

むしろよく聞く、

 

よく噂される内容。

 

なのだが、

 

非常に印象に残る。

 

物語なのに、

 

夕子の今後が気になってしまう。

 

応援したくなる純粋な姿に

 

現実と空想とがこんがらがってしまう。

 

その反面、

 

この物語はどこか苦痛的な迷いが感じる文章で

 

綿矢りさの苦悶のような感じも受ける。

 

とりあえず、

 

綿矢りさの文章で

 

少し元気を貰った気がします。

 

 

☆☆☆⭐︎