知的障害を持つイ・ヨングは

 

賢い娘イェスンと暮らしていた。

 

店先にあった最後の「セーラームーン」のランドセルが

 

目の前で購入されてしまう。

 

ヨングは購入した男に懇願するが

 

男はヨングを殴りその場を立ち去る。

 

翌日給料を手にしたヨングの前に

 

昨日ランドセルを購入した娘が現れ

 

他の店にセーラームーンのランドセルがあると

 

ヨングを案内する。

 

しかしその途中女の子は氷で滑り転倒、

 

はずみで落ちてきたレンガが頭に当たり

 

死んでしまう。

 

ヨングは助けようとするのだが

 

それを見かけた女性に通報され

 

幼児誘拐、殺害として逮捕されてしまう。

 

刑務所に収監されたヨングは

 

7番房に収監されるが

 

刑務所課長はヨングの逮捕に疑問を抱き始める。

 

そして同じ7番房に収監されていた囚人たちも

 

ヨングの無罪を訴え始め動き始める。

 

 

 

 

韓国映画やドラマは

 

感動させることに関しては

 

素晴らしい演出力を持っている。

 

感情の起伏が露骨に表面に出して

 

堪えるということを知らないからかもしれない。

 

なぜこんな展開なのにと

 

疑問を感じつつも泣かせようという演出は

 

賞賛してしまう。

 

本作は実際に起こった冤罪事件をモチーフに

 

製作された作品らしいのだが、

 

正直なところその展開は

 

日本人からすると違和感が多すぎる。

 

韓国映画のベースには

 

韓国の問題が散りばめられていることが多い。

 

本作も権力を使い

 

無実の男に罪をなすりつけようとするのだが、

 

流れの中には〝?〟が多い。

 

まず持って知的障害者に対する対応。

 

そして逮捕された父親の素性を調べず

 

娘が一人になってしまう自治体の不備。

 

登校しない生徒に対し心配するだけの先生。

 

とにかく殴りつける場面が多い。

 

もうこの段階でムカムカする。

 

どーなっているのこの国は!?

 

とすら思ってしまう。

 

そしてずさんにも程がある刑務所。

 

面白おかしくする演出はわかるのだが、

 

緻密さもなく笑うにも笑えない。

 

しまいには課長判断で

 

娘を刑務所に入れてしまう始末。

 

どう考えても、俺も俺もと

 

反発が起きかねない。

 

全てにおいて

 

これが優しさ、

 

これが素晴らしさ、

 

これが美しさと

 

感じているのかと気持ち悪さを覚える。

 

韓国作品は格差社会の下で

 

美しく生きる人々を演出する傾向があるのだが、

 

これがどうしても気持ち悪く見えてしまう。

 

確かにこの展開は面白い演出だと思うのだが、

 

課長が率先してはダメだろうと・・・。

 

これは囚人ら知恵を絞ってやるべきことで

 

課長はあくまでも法律にのっとり厳しく行い

 

最後のトドメに上に逆らって

 

アクションするべきだろうと思う。

 

しかしこれだけ違和感を感じつつも

 

最後に無実を勝ち取った

 

成長した娘の涙で

 

感動させようとする演出は

 

本当にすごいと思う。

 

これぞ韓国映画の骨頂。

 

終わりさえ感動ささせれば的な・・・。

 

でもやはり個人的には

 

感動より違和感の方が強い。

 

韓国作品の発想は素晴らしいのだが、

 

やはり歪んだ社会感が作品を

 

邪魔しているような気がする。

 

 

☆☆☆