「Art」の語源は「技術」です。
日々、少しづつでもフランス語や英語の勉強をしていると、
ヒトツヒトツの単語に隠されたメッセージに気が付くことがあります。
今回は、そのヒトツ。
Artについて。
日本語で直訳しても、「芸術」。
そのものずばりで、「芸」であり、「術」です。
そして「芸」も「術」も、一朝一夕で身につくものじゃない。
「アーティスト」って、つまりは「技術者」ですよ♪
フランスだと、例えば木材を加工してもらう場所にはちゃんと「ARTIST」って書いてある。
最近の日本では、ずいぶんと「感性」の部分がもてはやされている気がする。
こんなに職人気質な素晴らしい国民性なのに。
フランスでエステの資格を取るときに、フランス語(つまりは「国語」ネ♪)の試験があったんですが…
その最初の文章問題でミケランジェロの話が出題されました。
(ミケランジェロは、存命中に伝記が出版された最初の西洋芸術家。らしい…)
友人の目の前で彼は手をデッサンして見せます。
それをみた友人は「奇跡だ。」って、感動するんです。
そりゃそうです。
ミケランジェロのデッサンを目の前で見たら、感動しないはずがない。
そしたら、マエストロ・ミケランジェロは言ったんです。
「いいや。これは純粋な才能だよ。私はデッサンするのに神は必要ない。」
おどろく友人に、ミケランジェロは続けます。
「才能は、勉強なしにはあり得ない。試してごらんなさい。」
しかし、その友人は訊ねます・
「しかし、マエストロ。私はデッサンなんてわかりません。」
そんな彼にミケランジェロは言いました。
「教えてあげよう。これ以外に方法はないよ。
左手を机の上に出して、右手で見えるままに描きなさい。
1回、2回、3回、1000回。
モデルも、先生も必要ない。
全てはその手の中にある。
君の眼を信じなさい。
繰り返しなさい、出来るようになるまで。」
号泣でした。
2時間の試験中、最初の文章がこれだったので…
残りの試験を嗚咽しながら解いたのを今でも忘れません。
繰り返しましょう。
出来るようになるまで。
ミケランジェロだって、そうだったんですから。
残っている芸術作品には積み重ねられた「技術」があります。
磨かれた「技術」があります。
伝えられてきた「方法」があります。
沢山の「コツ」が隠されています。
全部、「ART」の訳です。
art médical:医療術
art poétique:詩法
art culinaire:料理法
arts ménagers:家政術
art de la conversation:会話術
art sacré:錬金術
全て、磨くべき技術であり、手法です。
全ての技術には、磨かれるべき価値があります。
全ての仕事は芸術になりえます。
「技術」を磨いて、「方法」を探し、「コツ」を手に入れましょう。
僕達は芸術家です。アーティストです。
そうあろうとすれば。
さて、明日の自分の為に、今日の僕はなにをしよう?