全て、自分のためだった。
友人の友人の彼女は、幼い頃からスイーツ好きが高じて、
パティシエの専門学校に入学。
その後、製菓製造技能士の免許を取得し、晴れて社会人となった。
しかし、製菓の職にはつくことはなかった。
 
彼女は、休日なると、必ずホールでケーキを作り、
完成後は、誰にもあげることもなく、
誰かに見せることもなく、全部、自分で食べてしまうそうだ。
すなわち彼女にとって、製菓のスキルは、自分の欲求を満たすだけのものだった。
 
こんな話を聞いたものだから、色々と考えてしまった。
一見不気味に見える彼女の行動だけど、
人間として最低限、これでいいのではないだろうか。。
そもそも私たちは、誰のために生きるでもなしに、
自分のために、起きて、食べて、寝る。
こうして、3大欲求を常に満たしながら日々、死に一歩ずつ近づいていっている。
 
この短い人生を、誰かに幸せにしてもらう期間(幼少期・老年期)と、
誰かを幸せにする期間(青年期から熟年期)と分けるとするならば、
自らを幸せにする期間は、この全ての期間であることなのかもしれない。
 
他人と比べては落ち込み、誰にも影響を与えられない存在だと落ち込む前に、
「自分の欲求を自分で満たす」ということができていれば、
人間として、素晴らしいことだと思いませんか。
 
世のため人のため、”私のため”。”私のため”に、より真剣であれば、
結果として他人に影響を与えることになる。それが充実感に変わってくと思う。
それで十分だと思う。