優一は二人の女の子と付き合っていた。
一人とは正式に付き合っている。
もう一人は、いわゆるセックスフレンドだ。女の子は双子で、大人しく聡明な姉に爽やか
さを絵に描いた様な妹だった。
姉の月子と付き合いはじめて三ヶ月、妹の陽子と関係を持った。
誘ってきたのは、陽子だ。
優一にも若干陽子を思う気持があった。
三角関係を清算するために、卒業式の後に旧校舎の屋上へ二人を呼んだ。
陽子は何も知らない月子に言う必要はない。と言って来なかった。
優一は月子に陽子との関係を打ち明けた。
すると月子は言った。
「私は未熟児で産まれてきたの。ホルモン分泌が不安定だからもう4歳以降は成長しない
かもって言われていたの。でも陽子が私に命を分けてくれたの。本人は知らないかもしれ
ないけど夢の中でガンバレガンバレって、その日からホルモン分泌が安定して大きくなれ
たの。だから優一くんを取られても良いかなって……それに私には子宮が無いの。正しく
は卵子が無いの。優一くん、私と別れて陽子と付き合って。」
月子の告白に優一は何も言えなかった。
言葉の代わりに抱き締めた。
「優一くん……」
後ろのドアが荒々しく開いた。
陽子だ。
陽子の手にはカッターナイフが握られていた。
それは事務用ではなく、作業用の大きなカッターナイフだった。
「月子はいつもそうだっ!私が…私が欲しがる物を譲ろうとしてるクセにいつも手にいれ
る!優一のこと愛してるのは私だよ!月子になんか渡さないんだから!」
半狂乱の陽子はカッターナイフを振り回し月子に掴みかかりもみ合いになった。
陽子が月子から離れると月子の顔は青ざめジワリと制服に血がにじみその場に膝をつき倒
れこんだ。
下腹部に刺さったカッターナイフが倒れた時にカシャリと乾いた音を鳴らした。
「あ…月子。ごめんね。ごめんね。ごめんね。」
手についた血を見て陽子は後退りした。
フェンスに寄りかかった瞬間、ボルトが外れ陽子はフェンスと共に優一の視界から消えて
いた。
優一は月子を抱えて旧校舎から飛び出した。「陽子…」
蚊の鳴くような声で月子が呼んだ。
返事は無い。
早く病院へ運ばなければ。
優一は陽子を抱えた。
女の子とは言え二人を担いで走るのは不可能だった。
優一はよろめきつつ歩き出すと何かにぶつかり倒れ込んだ。
ぶっかったのは老人だった。
「二人を助けたいか?」
老人はニヤリとしながら聞いた。
優一は老人に掴みかかった。
「助かるのか?二人を助けてくれるのか?」
胸ぐらを捕まれた老人はコホンと咳をした。
「助けると言うより生かすと言う方がいいかな?少年よ目を閉じろ。」
優一は言われたままに目を閉じると、意識が遠退いた。
次に目を醒ました時には知らない場所にいた。
「少年よ目を醒ましたか、これから話すことをしっかり聞け。まずは二人のうち一人しか
助からなかった。」
その言葉の意味を月子か陽子どちらかが死んでしまったと理解した。
絶望に顔がゆがんできた。
「しかし二人とも助かったとも言える。彼女達の体で使える部分を切りとり一人として蘇生させた。内臓
は恐らくゾンビパウダーに侵されていたので破棄、四肢は落下のショックで使い物になら無いの
で破棄。眼球も一つはパウダーにより破棄。つまり体以外はほとんどそっちから切り取り
落ちた方に張り付けて目をはめた。」
何を言っているんだ?
「訳の解らない事をゴチャゴチャと!結局どっちが助かったんだっ?」
老人はやれやれといった風な顔で部屋の奥を指差した。
優一は立ち上がり部屋の奥に向かった。
錆び付いた赤いドアを開けると、ベッドの上に月子が居た。
「月子っ!大丈夫か?ごめんよ…俺が…俺のせいで…陽子もっ!」
「青臭い感動の対面は済んだかね?」
ドアが閉まり音が響き渡る部屋に、如何にも詰まらない三文芝居でも見せられたかの様な言葉がスピーカーから聞こえた。
「うるさいッ!陽子は・・・どこだ?」
「目の前に居るわぃ。そのこが月子だったかな?月子であり陽子だ。双子だったのでパーツの相性は抜群だったぞ。」
その言葉を聴いて優一は改めて月子を見た。
体の至る所に繋ぎ目が在った。
本当に…本当に二人の体で一つの体なのだろうか?
優一は陽子の体にある二つのほくろを捜した。
一つは背中の真ん中に、もう一つは肩にあるほくろだ。
背中のほくろは在るのに肩のほくろはない。
間違いなく二人の体で一人になっている…。
「少年よ、実は彼女が目覚めるには儀式が必要なのだよ。子宮に少年の精液を流し込む。SEXをするのだ。」
その言葉を聴いて優一は怒りがこみ上げた。
「そんな事できるかッ!」
「なら彼女は目覚めない。いいかよく考えろ少年?彼女を目覚めさせた瞬間から、君達は”戦い”に巻き込まれる。
その”戦い”は避けようとしても必ず君達は戦う事になる。決めろ少年。彼女を眠らせてやるか?戦いの中に身を投げ入れ
るか?」
「戦わないと月子は目覚めないんだな?だったら・・・」
優一は冷たく冷え切った月子を抱きしめ愛撫し、月子の女性器にペニスを押し入れてゆっくり動き始めた。
体は陽子の物なので、処女膜は無い。
だが反応の無い陽子は濡れる事も無いので無理に動くと膣内で擦り切れて血が出てきた。
血のぬめりで動くのが少し楽になった。
二人をこんな目に合わせてしまった自分の不甲斐なさと、こんな状況で興奮し快感さえ覚える自分が嫌になった。
優一の目からこぼれた涙が月子の口に流れ込んだ。
「ユ・・・ウイチ?」
この声は、陽子?
「陽子か?陽子なのか?」
優一は陽子に話しかけると陽子はそっと首に手を回した。
陽子が感じているときいつもそうした様にゆっくりとゆっくりと優一の首にしがみついた。
「ユウイチッ!ゴメンネ!」
優一は陽子にやさしくキスをした。
その瞬間、陽子の瞳がネコ科の動物のように瞳孔が開き怪しく金色に輝き、優一の首を両手で激しく絞めた。
「キャハハハハハハハハハハハユウイチッユウイチユウイチユウイチィィ!」
人間とは思えない力で締め上げる陽子をただ優しく見下ろした。
「俺こそごめんな・・・」
「イッペンシンデミル?イッペンシンデミル?アイシテルヨユウイチ!アイシテル?ナニソレワカンナーイ!」
ケラケラと笑いながら陽子は優一を更に締め上げた。
薄れ行く意識の中で優一は絶頂を向かえ陽子の中に果てた。
「・・・・・ユウイチ?・・・モットアイシテヨ?ダキシメテヨ?キャハッモウオネンネ?」
ジリリリリリリリ
優一は汗まみれで布団を跳ね飛ばした。
ふう夢か・・・
しかし嫌な夢だったな。
窓をあけて新鮮な空気でも吸おう。
優一はカーテンを開いて窓を開けた。
窓の向こうには月子が居た。
「あっ優一君おはよう。」
にっこりマークが浮かんできそうな笑顔で月子が微笑んだ。
「月子、おはよう・・・愛してるよ。」
「ワタシモアイシテヨユウイチィ!キャハキャハキャキャハハハハッ!」
優一は、ネコ目の月子であり陽子に優しくキスをした。
そしてそのままショックで気を失った。
つづく?キャハ