兄の執拗な要望により、一部キャラクターの名前に変更がありました。
ご理解とご了承の上、テレビから離れてお楽しみください。
あらすじ
男性恐怖症のユキ。
メイドとしての生活を続けるうちに次第に男性とも会話ができるまでになった。
しかしユキの心が開き始めたとき、一本のビデオテープが届いた。
そのビデオには、ユキが父親から受けた虐待の様子が鮮明に晒されていた。
それをユキの主であるトモヨシが知ってしまう。
トモヨシに過去がばれてユキは部屋に鍵を書け閉じこもってしまった。
ドンドンドン
「ユキ!開けてくれ!話をしよう!ユキ!ユキ!」
「お願いです。ユキにかまわないで!」
「ユキ!ユキ!」
「嫌ですッ!もう嫌・・・・嫌なのぉぉぉぉ!」
「ユキ・・・・・」
トモヨシは軽くため息をつき一拍置いてから深呼吸をした。
「(仕方が無い・・・しばらく様子を見よう)」
階段を下りると、そこにはユキの後輩のカナがいた。
「旦那様、ユキさんは大丈夫ですか?突然顔色が悪くなりましたけどぉ?」
「(この子はユキの虐待の事を知らないんだった)あぁ、ちょっと体調不良らしい。しばらくは休養をとらせることにしよう。食事は別に用意しておいてくれるように料理長に伝えてくれ。」
「かしこまりました。」
カナはペコリとお辞儀をすると、食堂へ向かった。
「(どうしたものか・・・)」
トモヨシは、緊急に執事の中村を自室に呼んだ。
「いかがいたしました旦那様?」
「ユキの件だが・・・うちの関係者達にも一切他言しないようにして貰えるかな?」
「承知しました。すぐにアレを見た物に口止めして参ります。」
中村は、深々と礼をして部屋から出て行った。
「(とりあえずはこれで良しか・・・?)」
トモヨシはユキの事を考えながら、仕事の残りをかたづける事にした。
夕時 食事をしているとメイドのジェシカがへの字口で横に立った。
明らかに不満そうにしている。
「失礼します旦那様。ユキさんが食事はいらないと・・・」
「ふむ、仕方ないな。私がちょっと話をしてこよう。」
「また、ユキさんだけ特別扱いするんですか?私だって・・・」
ジェシカは言いかけた口をキュッとかみしめた。
「そう言うな・・・・・」
「でもっ!」
「ジェシカ、あまり困らせないで欲しいな・・・」
そう言うと、ジェシカは一礼して厨房へ帰っていった。
「(やれやれ・・・)」
トモヨシは階段を上がり、中村の部屋を通り過ぎユキの部屋の前にやってきた。
コンコン
「・・・だれ?」
「あぁ・・・私だ。ユキそのまま、ちょっとだけ話を聞いてくれないかな?」
数秒の沈黙の後ドアが開いた。
「どうぞ・・・」
「いいのか?」
「ここは旦那様のお屋敷です。」
ユキは俯いたままだが確かに頷いた。
トモヨシは中へと入っていった。
部屋の中は、備え付けのタンス、テーブル、ランプがあった。
ユキの私物といった物は精々タンスの上の縫いぐるみだろう。
「お話とはいったい何でございますか?」
その口ぶりからおおよその見当は付いているのだろう。
だがトモヨシはその話題には触れず、昔話や世間話をした。
「あの縫いぐるみどこかで見たような気がするんだが?」
そういうとユキはちょっとだけ嬉しそうに話し始めた。
「あれは私がまだ小さい頃に貰った物なんです。」
「・・・家に帰りたくなくて、街で時間を潰していました。」
「そのときちょっと変った男の子に出会ったんです。」
「ちょっとだけ年上で偉そうな口ぶりでこう言ったんです。」
『おまえ、いま怖い奴に追われているから、ジジイが来たら、あっちに走っていったといえ!』
「その子も家に帰りたくなかったみたいで一緒に遊んだんです。」
「今、思えば10分位だったのかも知れませんけど、幼い私にはとても楽しい時間だったんです。」
「その時、その子がゲームセンターで取った景品なんです。」
『欲しいのは、これじゃないからやるっ!』
「そう言って私にくれた物です。」
「その後すぐにその子のお爺さんが来て連れて行かれちゃいましたけどね。」
トモヨシは、ユキの話を真剣に聞いていた。
「あ、すみませんユキばかり喋ってしまって・・・」
「いや、少し元気になったみたいで安心したよ。また話をしよう。」
そう言いユキの部屋を出て行った。
「旦那様・・・さっきは取り乱してすみませんでした。ユキも明日はしっかり働きます。」
トモヨシは、食堂に戻った。
「あの・・・旦那様?このようなものが厨房から・・・」
それは小さなキーホルダーだった。
油性のペンでラベルに名前が書かれていた。
ひらがなで、ともよし
「あぁ、これは私が子供の頃厨房に隠したものだ・・・家訓が厳しくそういった物はすぐに取り上げられてね。」
「だから、子供の頃どこかに隠して置いたのだ。」
「あの頃はそのヒーローが大好きでな。名前はなんだったかな?」
「確か・・・でんえいゆう・・・そうだ、電英雄ボルティカイザーだったはずだ。」
「!!!!」
トモヨシはその名前を口にすると昔家を飛び出して中村に連れ戻されたのを思い出した。
「まさか・・・・・」