ある日大きな地震が起きました。
街の人々は我先にと逃げ惑うなか、倒壊した家の下敷きになった子供を助けた青年が崩れた壁の下敷きになってしまいました。
「もう、たすからないだろうな。」
そんな事を呟きながらも青年は子供が助けることができ後悔はしていませんでした。
思えば生活は厳しくいつも上に耐えながらの生活でした。
「一度くらいは贅沢な暮らしがしてみたかったなぁ。」
青年が目を閉じた瞬間、まばゆい光が目の前に現れました。
その光の中に不思議な衣服を着た少女が宙に浮いていました。
「これは夢だろうか?」
すると
「夢じゃありません。貴方は大変良い行いをしましたので生きるチャンスを与えます。一つはここから抜け出していつもの貧乏な生活をするか?もう一つは片腕を失いますが、ここから抜け出して不自由の無い裕福な生活になること。」
青年は悩みました。
そして少女に言いました。
「どうせ一度死んだ命だから、片腕が無くても裕福な生活ができるならそうしたい。」
少女はすこし悲しい顔を下あと頷きポケットから大き目のパンと口の開いたワインを青年に差し出しました。
「それを食べ終わったとき貴方の望んだ未来が手に入ります。あわてて食べると良くありませんのですこしづつ食べてください。あと欲を張ってはいけません。」
言い終えると少女は光と共に消えてしまいました。
青年はパンに手を伸ばそうとしました。
ところが身動きが取れずパンはおろか指一本動かせません。
すると先ほど現れた少女が現れ瓦礫をほんの少しだけどかしてくれました。
何とか動かせるようになって、やっとのことで青年はパンを口に運んだ
「うまい!こんなにも美味しいパンは食べたことが無い!」
それを聞いた少女はニコリと笑いすぅっと消えていきました。
無我夢中で男はパンを平らげると、ワインに手を伸ばした。
「このワインもなんて美味しいことだろう?」
瞬く間にワインを飲み干すと、青年に力が漲って瓦礫の山を脱出することができました。
それから数日、青年のもとに身なりの良い一人の老人が現れました。
「この度は孫を救ってくれて感謝します。もしよろしければ謝礼を受け取ってもらいたい。」
青年は欲をはってはいけないと言う少女の言葉を思い出しました。
「気持ちはありがたいのですが、受け取るわけにはいきません。」
老人は残念そうな顔をしました。
はっとひらめいた様に青年にこう言いました。
「ならばうちの会社で働かないか?こう見えてもロンドンでは大きな新聞会社だと自負しておる。」
青年は、仕事をするのなら欲を張ってるわけじゃないだろうと快く引き受けました。
続く