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私の乗っているDAEGというバイク。

非常に高性能で楽しいバイクで気に入っているんですが、
同時に、カスタム率の非常に高いバイクでもあります。

では、ノーマルの状態だとどうなんでしょうか?

その点について、少し考えてみました。


これはあくまで私個人の考えなんですが、ノーマルは究極の高バランス車なのだと思います。





例えばポジション。


バイクのポジションは、シート、ハンドル、ステップで構成される3角形で決まるのですが、

ノーマルでは、この3角形が非常に絶妙だと思うんです。

特に、ハンドルとシートの影響は大きく、この2点を変えるだけで乗り味が大きく変わってしまいます。

ハンドルが遠いからといって安易に高くしたり近くしたりすると、前輪加重が減ってしまいますし、
足つきを良くしようと、シートをあんこ抜きした場合も重心が低くなって運動性が低くなってしまったりする可能性があると思います。

私もニンジャに乗っていた時に、アップハンにしたり、あんこ抜きをしたりした事がありましたが、
お気楽に乗るときは良いのですが、ペースを上げるとやはりそういったネガの部分が出てしまい、
気持ちよく走れなかった記憶があります。

私は、ある程度の体格の差にかかわらず、個々のバイクにはそれぞれに一番適したポジションというものがあるのだと思います。

ノーマルのポジションというのはその点で、相当に研究し尽くされていて、絶妙な設定になっているのだと思います。

ですから私は、余程の事がない限り、ハンドルとシートは変更しない事にしています。(あっ、でもこれは、あくまで私個人の意見ですので・・・汗。)






また例えば、ブレーキ。


私は今まで乗ってきたバイクは、はとんどステンメッシュホースに変えていたんですが、
今回のDAEGではそのことについて、少々勉強させられました。

DAEGのブレーキは制動力に関して、私の腕では何の不満もありません。

しかし買った当初、ドレスアップ的な意味もあり、ステンメッシュに変更していました。

ですがそれによって、ブレーキの効力の立ち上がりがかなり急激になってしまい、
非常にコントロールし難くなってしまいました。

そして、そのシビアな特性に馴染めず、結局ノーマルに戻してしまいました・・・。

すると、やはりノーマルのゴム製ホースは非常にコントローラブルでブレーキを積極的に使えるようになりました。

その時にショップの人に聞いた話なんですが、メーカーは、膨張率の異なるブレーキホースを
何種類も持っていて、数多くの試験や研究の結果、その車両に一番あったものをチョイスしているとの事。

カワサキのスーパースポーツのZX-10Rなども、効力の立ち上がりを穏やかにする為のホースを
使用しているのだそうです。

よく雑誌などでは、「ステンメッシュはノーマルに比べて、カチッとしたダイレクトなタッチになり
ブレーキ性能アップ!!」などと書かれていますが、
実際の所はそれ程単純な事ではないようです。






少し意味合いはズレますが、サスペンションセッティングについても・・・。


DAEGは前後共、フルアジャスタブルのサスペンションなんですが、
私は現在は標準セッティングで乗っております。

まあ、ここに至るまでは、いろいろと試してはみました。

最初の頃は、フロントが硬く感じていたので、イニシャルを少し抜きました。

すると、確かに乗り心地は良くなったのですが、ステアリングレスポンスが鈍くなってしまい、
いつもワンテンポ遅れて蛇角がついてくる感じになってしまい、リズムがとりにくくなってしまいました。

また、リアのイニシャルを抜いた時は、Uターンなどは劇的にやり易くなったのですが、
ペースを上げての中高速コーナーなどでは、とたんに旋回力が弱くなってしまい、
いたずらにバンク角だけが深くなってしまうように・・・。

また、逆にイニシャルをかけていくと、明らかにサスが動かなくなり路面追従性が悪化。

伸び側のダンパーを抜くと、車体が良く動くようになるのですが、
スロットルを開けて加速する時にリアが一瞬浮く感じで、駆動力がダイレクトに伝わっていかない感じになり、トラクションがかけづらくなってしまう状態に・・・。

反対に、伸び側のダンパーを強めると、どっしり感が非常に強まり、高速道路を走る時などはいいのですが、ワインディングなどでは、DAEG特有のヒラリ感が影を潜めてしまい面白さが半減・・・。


とまあ、他にもいろいろと試してみて、結局は標準セッティングに戻ってしまった訳ですが、そこで解ったのは、標準セッティングというのは、実に様々な走行状況の中でも、そつなく走れるようになっているんだなという事でした。

きっと、気の遠くなるような量のテスト走行で決められた絶妙なセッティングなんだろうな・・・、と
改めて、感心させられました。





以上、いくつかの事について簡単に書かせていただきましたが、
私は決してカスタムを否定するつもりはございません。

いや、むしろバイクの持つ魅力の一つである「自由」というキーワードにおいて
危険でなく、回りに迷惑をかけない範囲でのカスタムは大いに賛成です。

リプレイスマフラーの心地よい音や、カッコいいルックスなどは最高ですし、
これからつけるであろうオーリンズのサスペンションにしたって、過去に何度もその高性能に感動しました。

タイヤにしても、私の大好きなミシュランは、ノーマルとはまた違った切れのあるハンドリングで楽しませてくれることでしょう。


ただ私自身は、ノーマルを否定してカスタムをするのではなく、
ノーマルの構成が持つ意味を良く理解した上で、自分なりの個性を表現できたらいいなと思いますし、
そのほうが、より充実したバイクライフを送れるような気がいたします。



私も、ずいぶんと長い間バイクに乗ってきましたが、最近特に身に染みて思う事があります。

それは・・・、

「バイクを造るということを生業にしている人達が、精魂込めて造っているバイクは本当に素晴らしいという事。」

「一つ一つのパーツにもそれぞれにちゃんと意味があって、無駄なものなど無いんだ、と。」



私自身、まだまだ未熟者ですが、そんな素晴らしいバイクに心おきなく乗れる環境にいるということに感謝せずにはいられないですね!!








いやぁ~、いつもアホな記事ばっかり書いている私なんですが、
なにを思ったのか、こんな真面目な事を書いてみたものですから、
思いっきり肩がこってしまいました・・・。(笑)



ではでは。