東京都の西方、武蔵野市に「吉祥寺」という地域がありますが、この場所にはどこを捜しても吉祥寺というお寺は見あたりません。では何で吉祥寺というようになったのか・・・
もともと吉祥寺は現在の皇居・和田倉門のあたりに「吉祥庵」を建てたのが始まりといわれています。徳川家康の時代に現在の水道橋際に移り、明暦3年(1657)のいわゆる「明暦の大火」で焼失し、現在の駒込に移転してきて今に至っています。しかし、その後、昭和の戦争でそのほとんどが米軍の空襲で焼失し、現在は山門と経蔵だけが往時の姿を留めているのみです。
この明暦の大火の際に、焼け出されたお寺を取り囲むように暮していた付近の住民が一団となって移住した地が現在の”武蔵野市吉祥寺”で、当時のお寺を偲んで「吉祥寺」という地名にしてしまったのです。

その後、再建された吉祥寺は↑ご覧のように大きな伽藍を持つ立派な寺院で、本堂の前にはこのような渡来犬が1対住み着いています。この写真では小型の彫刻に見えますが、それは本堂が巨大なためで現物は結構大きな石像です。

スタイルとしては「子取り・玉取り」なのですが、中国犬独特のお顔と姿勢で足の細さなど、かなりデリケートな仕上げで、腕の立つ石工さんが刻んだことは間違いありません。この犬で驚くのはお口の中で、この写真では見づらいのですが2頭とも口内に独立してコロコロ動く大きな正円の玉が入ってます。一体、どうやってこんな細工が出来るものなのか不思議でなりません。

さて、私が注目したのは戦災でも焼け残った「経蔵」の前に居た古いワンコたちで、これまた2頭とも身体中に不思議な縞模様があってヘンな犬なんですよ、いや、もしかしたらこれは犬じゃなくて「トラ」のつもりで彫ったものなのか・・・・神社には虎が居るって見たことありませんが、お寺では「狛虎」って、たまに見かけますよね。


生息地:東京都文京区本駒込三丁目19番17号
吉祥寺の狛虎(?)について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★(なんたって虎っぽいので、その威圧感は猛獣なみですから)
●狛犬としての個性度 ★★★★(犬だとしたら相当個性的、ただし虎だとしたらフツウですけど)
●癒され指数 0(無理・・・)
●思わず笑っちゃう度 0(無理・無理・・・)
●奉納日 弘化四年(1847年)
●作者名 ーーー
●撮影機材 渡来犬カラー:Panasonic FZ30、虎犬モノクロ:FUJI TW-3(ハーフカメラ)
