JR東海道新幹線を下って新横浜駅で下車すると、駅の右側は高層のオフィスビルや横浜アリーナなど、いかにも都会的な風景が広がりますが反対の左側はちょっとした丘陵地帯になっていて住宅が点在する中にまだ幾分の森なども残っているような場所が広がります。その丘陵のほぼてっぺんにあるのがここ「篠原八幡」です。神社の規模としては大きくもなく小さくもなく中間の規模という感じでした。
 丘陵の森の気配はここにまで上がってきているようで、シィ~ンとして落ち着ける感じの社です。そして、ここにもまた「吉六ブッ犬」が暮らしておりました。生まれは天保十年とありますから、今年で180歳になる犬の親子です。ご覧の通りお年の割には細部の彫りまできれいに残っていて素晴らしいコンディションのワンコたちです。



 雌雄ともに子供と一緒にいますので4人家族ですね。別に決まりがあるわけではないのでしょうが、私が今までに見てきた狛犬で雌雄がハッキリと表現されているものでは99%の確立で「阿」像に雌を持ってきていますが、こちらの場合でもやはり阿像に雌の特長がハッキリ表れていますので、ここでも例外ではないですね。そして子供も長男(女)は雄親が、次男を雌親がというのが定番ですが、ここでもその「法則」どおりになっていました。


なんと言っても子供達の表情が素晴らしっ!


荒縄製のネックレスもよく似合ってます


吉六作品全体を通して言えることですが、その毛並み表現の流麗なこと華麗なこと。
これが「岩石」で出来ているとは想像させないほどの「柔らかい」美しさを持っています。


もう一つの特長が、どの方向から見ても妥協点がどこにも見あたらないということ。
最後の一削りまで徹底して気を緩めていません。それは犬が乗っている台座にまで及んでいて吉六作品は台座まで含めて鑑賞対象になってます。



生息地:神奈川県横浜市港北区篠原町2735


篠原八幡神社の狛犬の評価
●狛犬としての仕事ぶり度 
(二頭とも子育て中というのは、どうしても「本業」はおろそかにならざるを得ないでしょうね)
●狛犬としての個性度   
●癒され指数       ★★(人間で言うともう一歳くらいの子供でしょうかね、可愛い盛りだから見る方の眼も細くなってしまいます)
●思わず笑っちゃう度   ーーー
●奉納日 天保十年正月(1840年)
●作者名 飯嶋吉六
●撮影機材 Lumix FZ30