この2頭をご覧ください、一見して「立派っ!」と思えるほど堂々とした風貌で名品であることが分かります。近寄ってぐるり一周するとさらにその重量感・存在感が凄いのです。コマイヌのくせにと言っては失礼ですが、このお社の周りの雰囲気も影響しているのですが、えらく品格があるのですね。これは家康さんなど将軍をお奉りしてある神社などにはよくあることなのですが、このような村社に置かれることは珍しいことです。
 で、いつ頃、どんな人物がこしらえたんだろうと気になって台座を観察してみると下のような写真の彫字が残されていました。


 このワンコたちのもう一つの特長は「阿吽」で対を成しておらず、2頭とも「阿」で邪気を威嚇しているスタイル、これも江戸後期の犬としては珍しいですね。たぶん、作者の巳之吉さんにはそれなりの考えがあったんでしょうね。




生後180年近く経って背中に背負った苔がまるで上等な毛並みのようです。
 


細部までもの凄く丁寧な仕事をしていますね、巳之吉さんは。


生息地:東京都稲城市屋矢野口3292


穴沢天神社の狛犬について

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★★(この威風堂々さは文句無し!)
●狛犬としての個性度   ★★(2頭とも「阿」というのがね)
●癒され指数       
●思わず笑っちゃう度   0

●奉納日 天保十四年三月(1844年)
●作者名 巳之吉(いかにも腕の立つ職人という感じの名前ですよね)

●撮影機材 ミノルタα5(35-70mm/f4)