ここのおヤシロの入り口には93歳になる立派な子取り・玉取りのペアが住んでいて、これはこれで出来・風格共に充分で鑑賞のし甲斐のあるものでした。

 ここは完全な村社でそれほど規模の大きい神社ではないし、そこそこ古い立派な狛犬も居るので神殿に心ばかりのお礼を投げ入れて帰ろうとした振り返りざま社殿の左脇に何やら石の欠片のようなものが・・・!?
 近寄って、よぉーく見ると何と”前任者”かと思われる相当に傷んだ狛犬がポツンと放置されているではありませんかっ!台座からの身長はおよそ50センチほど、実に小ぢんまりと可愛いワンコですがその居姿は堂々としてかなり風化はしているものの充分な品格すら漂わせています。しかし、周りを見ても前に大黒様(?)のような像を従えて居るのみで相方の「阿」クンが見あたりません。

 もしかしたら対側にあるんじゃないかしらと反対側に回ると居ました居まし た、それもたった一人で寂しそうに・・・。「おぉ~、キミは何年ここに放置されていたんだい、長いこと可哀相に!」

 お顔の約半分は風化で溶けかかっ ていますが、姿全体の印象としてはとてもバランスのいい出来の狛犬です。台座には微かに彫り込んだ文字も残っていて慎重に彫り跡を探ると字が浮かび上がっ てきました、「天保十四年ーーーー」とまではハッキリ読みとれます。そうだったのか天保の生まれかぁ~・・・・天保といえば水野忠邦と言う人が庶民をガンガン虐めていた時代ですよねぇ、この狛犬もそんな庶民達が生活の平安を願って奉納したものかもしれませんねぇ。


生息地:東京都町田市三輪町1925
 

社殿両脇に置かれた古い方の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 0(もう、完全に現役引退してます、しかし、折角ならこんなに左右離さずに近くで一緒にしてあげないさい、可哀相に・・・・)
●狛犬としての個性度   ★★★★(まず「小さい」という点でとっても個性的!独断だけど)
●癒され指数       ★★★★(この寂寞感というかポツン感は堪りません、涙すら出ましたもん!)
●思わず笑っちゃう度   (無理・無理・無理、とっても出来ません笑うなんて・・・)
●奉納日 天保十四年(1843年)かれこれ160年以上は経過していました。
●石工名 ーーー
●撮影機材 キヤノン・キッス3(25-80標準ズーム)


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