Welcome to Japan!! からの続き

 

 

ちょっと今日の話は直接皆さんのお役に立つような話ではないかもしれませんが、日米連れ去り比較の現実として一言書いておきたいと思います。

 


基本連れ去りが起こった場合、実力行使で無理やり連れ去り返す以外の方法としては、裁判所を通さなければ何も起こらない、というのは日米で一緒です。

 

 

子供が他方の親に連れ去られました!と警察に電話したとしても、

 

親権(監護権)は誰が持っているんですか?

暴力をふるう可能性はありますか?

裁判所の命令は出ていますか?

 

みたいな話になるのは同じといえば同じ。

 

違いといえば、裁判所に申し立てた際に、子供の誘拐であればスピード審理を行ってもらえることや、一度判決が下りれば警察や専門機関が子供の身柄確保に実際に協力してくれるといったことでしょうか。

 

 

 

また、子供を監護している親が、面会交流の判決を無視し続けた場合、会えないでいる親(父親でも)が監護権者変更を申し立てれば、監護権者が変更になる可能性は高いです。

 

 

 

いくら面会を無視しても

 

「仕方ないんだからお父さん我慢して!ムキー

 

というような裁判所の問答無用の判断はあり得ません。

 

 

判決への執行力が違うんです。

 

 

そういう部分は、非常に頼りになると思うし裁判所としての意味があると思う。

 

 

 

ただ、アメリカの弁護士費用はものすごく高い・・・。

 

 

日本の弁護士費用で高いと感じていらっしゃる方もたくさんおられると思いますが、アメリカでの費用はその比ではありません。

 

アメリカの弁護士費用は基本、分単位の時間制です。

 

1分5ドル~8ドル(もちろん、もっと高額な弁護士はたくさんいます)、1時間で300ドルから500ドルぐらいが相場。

 

もちろん、裁判所に行けば何もしないで待っているだけでも時間はチャージされますから、1日で千ドル以上間違いなく飛びます。

 

 

昨日紹介したアメリカ人のお父さんも、35万ドル(約2700万円)を裁判費用として使ったと言っていましたが、僕の知り合いでも子供の監護権を巡ってかなり揉めた裁判をやった人は、弁護士費用だけで300万~400万円はしたと言っていました。

 

揉めて長引けば長引くほど金がかかる恐ろしいシステムです。

 

 

だから、アメリカから子供を連れ去って帰ってきてしまったお母さんたちを一概に責めきれない部分もないわけではない。

 

夫側が、スムーズに離婚して何も揉めずに子供を連れて日本に帰ってよろしい、と言うなら数十万の弁護士費用だけで済むでしょう。

 

しかし、絶対に子供と離れたくないと断言している夫と裁判所で揉めに揉めて、300万も弁護士に使った挙句、子供を連れて国外に出てはいけないと裁判所から申し渡されてしまっては、その後の自分と子供の生活がどうにもならなくなるのは目に見えています。

 

もちろん、国のサポートみたいなものもあるにはありますが、誰でも待たずにいつでも使えるはずないのは想像つきますよね。

 

 

昨日のお父さんのように35万ドル(普通に家が買える金額だよね)も裁判に使える余裕があるなら、とことん戦っていつか勝てる可能性もあるかもしれませんが、離婚するのに50万円、面会させないんで面会交流申立てたら揉めたから150万円、それでも会わせてくれないから親権者変更申立てたらそこでも揉めて200万円とか弁護士費用にかかるとしたら、一体どれだけの親が最後まで戦い続けられるでしょうか・・・?

 

 

そういう意味では、そこまで戦う金があるのなら勝てる法律の土台はあるけれど、アメリカでも経済的な理由で途中で泣く泣く諦める親がいないわけではない、ということも現実としてはあるのです。

 

 

 

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FBIの国際重要指名手配犯に日本人女性が多い件 からの続き

 

 

というわけで、FBIが重要指名手配犯として、アメリカ人の子供を連れ去った日本人の母親を実名や写真等個人情報を開示しながら多数公表している件の続きです。

 


指名手配犯として公表されているのになぜ逮捕されないのか?

 

 

それは、FBIはアメリカ連邦捜査局ですから、アメリカを出て、外国である日本国内で勝手に捜査をしたり、犯人を逮捕したりすることができないからです。

できるのは、日本の警察に協力を要請して、犯人をFBIに引き渡すよう求めることだけ。

 

 

指名手配犯とされる母親たちは、住所も電話番号も全て、日本の警察当局で把握されているはずです。

 

でも、日本の警察は基本民事には非介入ですから、

 

「アメリカで10人殺してる連続殺人犯が日本国内に逃げ込みました!」

 

というような事件は別として、自分の子供をアメリカから連れ去ったお母さんを逮捕して、FBIに引き渡すようなことは基本的にはしません。

 

 

 

ご記憶にある方もおられるとは思いますが、アメリカから自分の娘を連れ去った日本人の母親が、連れ去られたアメリカ在住の父親と長い裁判を日米で続けた後、グリーンカードの更新をするために単身ハワイに渡ったところ、空港で誘拐容疑で逮捕され、数カ月の留置後、娘を夫に引き渡すという条件で執行猶予付きに減刑(要するに釈放)されることになり、アメリカ人の父親の元に娘が返されたという事件がありました。

 

 

要するに、アメリカで子供の連れ去りを行い、それが悪質だと裁判所も認めている場合は、逮捕になる事件になり得る、ということです。

 

 

 

ちなみに、実の父母による子供の誘拐罪は、僕の調べたところでは約2年間の州刑務所での実刑禁固刑、あるいは5千ドルから1万ドルの罰金、またはその両方が課されるものとなるようです(州により多少の違いはあると思います)が、上のケースは母親の誘拐が悪質という認定で、7年以上の禁固刑になる可能性があったそうです。

 

 

ただ、アメリカでも基本的に民事事件への対応は非常に慎重。

 

 

上の事件でもわかるように、逮捕拘留はすぐされますが、それが実刑となるかはまた別問題なのです。

 

 

例えば、誘拐した側にその他の犯罪歴があるとか、誘拐する際に銃や刃物等を使って子供を強要したとか、連れ去り問題に関して連れ去られた側の親や警察、裁判所からの係官と暴力事件を起こしたとか、そういう要素がなければ実刑の禁固刑になることは少ないのではないかと思います。

 

 

また、子供の誘拐で指名手配をされるに至るまで、アメリカ国内で勝手に知らない間に自分が指名手配されてしまう、ということは通常考えられません。

 

 

子供を連れ去った被告側に、裁判所から何度も、審理のための聞き取りをする公聴会への出廷連絡が送達されます。

 

日本にもアメリカから国際書留みたいな形で届き、本人の受領確認が行われます。
必要な場合は内容も翻訳され、公聴会に裁判所の通訳を要請することもできます。

 

 

ただ、もう二度とアメリカに帰るつもりがない連れ去り親にとっては、

 

もうアメリカに帰らないんだから関係ない、ウザい

 

って送達を無視し続けても、日本にいる限り何も起こらないことは事実です。

 

 

また、何度も出廷勧告を無視された結果、アメリカの裁判所が連れ去られた親を単独監護権者とするような裁判の判決を出したとしても、それをそのまま日本に持ってきて執行することはできません(ハーグ後でもそうです)。

 

 

 

結局アメリカで出た判決を証拠書面として、連れ去られた親は連れ去り親の居住地である日本で改めて子供を返せという裁判を起こすこととなり、

 

Welcome to Japan!!

日本の家裁にいらっしゃいませ!爆  笑

 

の経験をすることとなるのでした・・・。

 

 

続きます

 

 

 

 

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子供の連れ去り=誘拐=犯罪?という話を青いスキピオさんのブログのエントリーから考えさせられたので、ちょっと閑話休題ということで、その件について考えてみたいと思います。

 

 


ハーグ条約に日本が加盟したのは2011年のこと。

 

 

これは、外国人と結婚した日本人女性が、夫婦生活がうまく行かなくなった際に夫に黙って子供を連れて日本に帰国し、(元)夫と子供との交流を一切遮断して話し合いに応じないという事件が相次いだため、国際的な非難の高まりに日本政府が渋々応じた結果、締結されたものです。

 

基本的には、連れ去られた子供をそれまでの居住地に帰すことを義務付け、また面会交流等を積極的に推奨していくことを目指したものです。

 

 

 

また、特にアメリカでは、何度もお話ししているように父と母の養育における立場はほぼ対等に扱われ、特に子供をそれまでの居住地から連れ去って、他方の親に会わせないということが児童虐待も含む犯罪だと認識されているため、FBIのホームページには写真と実名入りで、FBIの国際重要指名手配犯として、アメリカから日本に子供を連れ去った日本人の母親が何人も公表されています。

 

 

 

 

ハーグ締結に否定的な日本国内の識者のみなさんは、

 

 

海外では日本の常識では考えられないような凶悪な事件も多い!

DVももっとずっとタチが悪い!

このお母さんたちは命からがら子供を連れて、外国から母国に逃げてきたのよ! ムキー

 

 

というご意見かもしれません。

 

 

確かに、僕の知っているDVのケースでも、あまり英語のできない日本人のお母さんが、アメリカ人の夫からクレジットカードや携帯電話等全て取り上げられ、仕事をすることもできず、日本の家族や友達に連絡することもできず、英語で相談できるような友達もおらず、どこに行って誰に相談すればいいのかもわからず、夫から暴力を振るわれ言葉でも責められ、追い詰められるようなケースはありました。

 

 

しかし、それは全てのケースではない。

 

正直、前にも書きましたが、日本ではDVといえば周りが納得するだろうというような風潮が出来上がってしまっています。

 

 

単に、外国での暮らしが想像と違って、嫌になったからもう日本に帰りたい、でも夫は子供をかわいがっていて、自分が日本に帰ると言ったら、アメリカの裁判所で離婚されて(アメリカは離婚の理由を問わず、申立てれば審議の上で離婚を成立させることができる国です)、共同親権にされ、子供はアメリカ国外に連れ出してはいけないというような判決を食らうことは確実だ。それなら黙って子供を日本に連れて帰って知らんぷりしよう、と思った母親が、かなりの数いると見て間違いありません。

 

 

 

確かに、もうアメリカ暮らしは嫌だ、日本に帰りたい、と思った時、アメリカの法律は「子供を監護権者の同意なく、それまでの居住地から勝手に連れ出してはいけない」というのが基本ですから、離婚した際に夫が共同親権者になっていれば、夫の許可なくアメリカから日本に子供と一緒に帰国することは法律上できません。

 

 

でも、もう日本に帰りたいと思ってしまっている母親にとっては、絶対に子供と離れたくない父親といくら話し合っても埒が明かないし、もうDVがあったということにして、話し合いも裁判もしないで日本に帰った方が手っ取り早い。

 

 

それじゃ、FBIの重要指名手配犯って、何で捕まらないの?って思いますか?

 

 

続きます

 

 

 

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