引っかかっているところ からの続き
僕は友人のナミさんに頼んで、第三者として不倫格上げ旦那のユウヤと話をしてもらっていました。
「あっさり面会に応じてくれればいいですけど、とりあえず今の状況として感情的にヒートアップしてお互いへの非難合戦が始まらないよう、ある程度私があちらの毒抜きがてら話を聞いてきますよ
」
と、ナミさん。
こうして始まったナミさんとユウヤの話し合いだったが、一点でぐるぐるしていて先に進まないという。
「ユウヤさんがどうしても引っかかっているところがあって・・・。
あの、私もDragonさんに確認しておきたいんですけど」
とナミさん。
なんですか? 何でも聞いてください。
「まだDragonさんとユリさんが結婚していたころ、Dragonさんの知らない精子が不妊治療クリニックに出されていて・・・って話がありましたよね?」
はい。
「Dragonさんは、あれがユウヤさんとユリさんが不倫していた決定的な証拠だった、と。それを裁判所の方で『精子の提供だけで、本当に不倫関係があったとは見なされない』みたいなこと言って」
そうですね。
人妻に男友達が、友情だけ
で、旦那の知らない間に子供を作るための精子をあげても何もおかしなところはない、って裁判所の判断でした。
何から何まで異常だと思うんだけどね。
「それがですね、ユウヤさんの方では、あれは絶対にDragonさんの精子だったのを、自分を陥れようとしてDragonさんが嘘をついている、って言ってるんですよ」
はぁ?![]()
「あくまで自分はユリさんが離婚した後に交際を始めたもので、絶対に不倫していた期間はない。その後に出した精子は本当に自分のものだと認めるけれど、その前の結婚中のものは絶対に自分のではない。DNA鑑定でもなんでもしてほしい。絶対に自分のではないから、確信持ってDragonさんは嘘つきだと言えるし、こうやって嘘をついて自分を貶めようとしているのがわかっていて、信頼関係も何も築きようがない、と」
あいつ何言ってんだ!!
ずうずうしいにも程があるだろ!
男が体外受精での子作りのために、しかもわざわざ早朝に自分の精子を出したか出さないか、忘れるわけないっつーの!!
神に誓って僕の精子じゃないし、僕だってDNA鑑定できるものならしたい。
でもその実際の精子は、ユリが僕の署名を廃棄希望書に勝手に書いて、勝手に処分してしまった・・・。
精子が提出されたという記録はあるけれど、現物は残っていない。
残されたカルテだけでは、それが誰の精子だったかの確定はできない。
僕の憤りを聞きながら、ナミさんが言った。
「私はDragonさんが嘘をついてるとは思わないです。でも同時に、ユウヤさんも嘘をついている感じがしないんです。『DNA鑑定できるならいつでもやって欲しい』、『Dragonさんが証拠としてDNA鑑定を出さなかったのは怪しい』とか、ユリさんが勝手に精子を廃棄したことも知らないみたいだったし、とにかく、もし本当に彼が精子の提供者ならば、そこまで確信持ってDragonさんを嘘つき呼ばわりしないと思うんです。だから、彼の精子じゃないんですよ」
どっちも嘘ついてない?
意味わかんないんですけど。
ナミさんは申し訳なさそうに言った。
「まあ、だから、結論として、客観的に言わせていただきますと
当時精子を出したもう一人別の男がいたとしか・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
続きます
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