まずは簡単に、これまでの経緯を説明したいと思います。

(なお、僕だけでなく相手方や関係者各位のプライバシー保護のため、個人や団体を特定することに繋がる情報は、詳細を変えています。個人名も団体名も、すべて仮名です。)

 

僕が元妻のユリに出会ったのは僕が32歳の時。


彼女は4つ下で28歳でした。




友人のパーティーの席で知り合い、その後4年の交際を経て結婚。

 

その後しばらくして僕は、自分の会社を立ち上げ、無我夢中で働くようになりました。



もちろん、自分の夢を実現させるためでもありましたが、彼女のためにも、それまでの生活レベルを落としたくない、という想いがあってのことでした。



でも多分、ユリはそんな僕に不満を募らせていったんでしょうね。


次第にケンカが増え、すれ違いを感じるようになっていきました。




お世辞にも、決してうまく行っているとは言えない夫婦関係ではありましたが、そんな中彼女が、子供が欲しい、不妊治療をして子供を作ろうと言い出しました。




迷いがなかったと言えば嘘になります。




でも僕も、それでもしかしたら何かが変わるかもしれない、子供がいれば家族としてのまとまりも出て、子供を中心に今度こそ幸せな家庭というものを築けるようになるかもしれないと思い、子供を作ることに同意しました。

 



その時点で僕は40歳、ユリは36歳。
覚悟を決めて、都内の某有名クリニックの門を叩いたのです。




診察やカウンセリングの結果、僕らは人工授精を行うことにし、その後しばらくして、ユリは念願の第一子を体外受精で授かることとなりました。

 

もしかしたら、これで何かが変わるのかもしれない。



そう期待したのも束の間、そのころ気分のアップダウンが激化していた彼女は、それまで一緒に寝ていた寝室から僕を追い出しました。



妊娠中は不安定でストレスも溜まっているのかなと、僕も受け入れるしかなかった。




それでも、子供が生まれたらきっと何かが変わると僕は信じていたんです。




かけがえのない僕の家族。僕の分身。




きっと僕の人生を変えるような大切な存在になるに違いない。




そうして、生れてきたのが長男のカイトでした。

 



続く