企業のビジネスモデルの評価尺度は何か?


売上高経常利益率か。それが10%以上であれば成功なのか?

その指標はこの先10年続くものか?


多くの経営者はわからないと思うかもしれない。

短期的に成功するビジネスモデルは直近の経営指標で判断できるが、それが戦略的に長期であるためには何を指標とすればいいのかわかるのだろうか?


長期的に成功するということは顧客のリピート率であることはわかる。

ではそのリピート率をどうやって見極めればいいのか?


現在の顧客、取引先にからわかることに気づいていない経営者が多すぎる。


あなたが提供できる価値に顧客は代金を支払うだろう。

それで一度のビジネスは成立するが。その顧客が再び同じ価値に代金を支払うかどうかが問題である。

リピート率は同じもしくはそれ以上の価値を提供しなければ保てないのか?


次々と革新的な技術を生み出し新たな価値を提供することで顧客が満足し、ロイヤリティが上がり、ブランドスイッチングが少なくなる。これもひとつの成功したビジネスモデルへの評価である。典型的な例はアップルだろう。

しかし、iPodを買った人は永遠にiPodを求め続けるのか?

iPodの次にiPadがあるからアップルは顧客に支持される。

イノベーションを常に生み出さなければ評価されない。Jobs亡き後のアップルは今の価値を提供できるのだろうか。アップルのビジネスモデルはこういった,側面がある。


一方で変わらない価値で顧客が支持する企業もある。

そうした企業に共通した評価尺度がある。


それは、


お金を払う顧客が「ありがとうございます」と言ってくれることである。


顧客が経済的対価以上の対価が提供されることが、永続するビジネスモデルの評価尺度である。


iPodを200ドルで購入してアップルにありがとうと思う人がどのくらいいるのだろうか?

こんな素晴らしい製品をたったの200ドルで購入できると感謝する顧客がどのくらいいるのか?


筆者は疑問である。

これがアップルのビジネスモデルの限界ではないかと思う。


顧客が経済的対価以上に対価を支払う、感謝をもたらされる企業のビジネスモデルは強い。

この対価を得られるかどうかが戦略的ビジネスモデルの評価尺度である。


自身の経験からも、成功企業の事例からもひとつの尺度であるといえると思う。


あなたの会社はお客様から「ありがとう」と言われていますか?

私事にて恐縮ですが、筆者は2度目の学生生活を過ごすこととなった。


社会人大学院にて博士後期課程への進学である。


あえて荊の道を選ぶことになった。

自らの命との戦いになる。


身体的にも若くはない。

精神的にも病を抱えながらの挑戦となり厳しい戦いであろう。

経済的にも負担があるだけで何の見返りもない。博士号を取得しても給料が上がるわけでもなく、儲かることもない。


なぜ、こうした道を選んだのか?

後悔するかもしれない。結果として時間とカネを捨てることになるかもしれない。


実際多くの先輩諸氏が博士後期課程に挑みながらも、まだ学位は誰も取得していない。


しかし、それに挑まなければ自分の何かが越えられないと思っている。


いずれは公務員という身分に見切りをつけるためでもあり、自分のなし得たいことへのステップでもある。


すべては社会をよくしたいという、その一念だけである。

久しぶりにプロのサービスに出会った。


長年裸眼を保ってきた筆者であるが、さすがに歳には勝てず、ついに眼鏡をつくることにした。


眼鏡とは縁のない筆者は当初安ければどこでもいいや、と思っていたが、坂本先生の「日本でいちばん大切にしたい会社2」に紹介されていた富士メガネさんを思い出した。


先生が常々言っておられる「我々にできることは正しい会社の製品やサービスを求める消費者になること」という言葉を思い出して、富士メガネさんのホームページにアクセスし、店舗を探した。


すると、近くにあるではないか。といってもクルマで一時間の距離だが・・・


近所にメガネやは腐るほどある。

筆者は先生が紹介される企業やお店にはできるだけ、顧客として出向き、その製品やサービスを体感するようにしている。


だから富士メガネさんに行った。


来店してすぐに店員さんは声をかけない。

適度な距離を置いてみてくれている。


こちらから、お願いして、初めて眼鏡を造りたいと話すと、

私の顔つきや日頃の用途、レンズの処方をみて、具体的な提案をしてくれる。


初めてという不安はこの時点で消えていた。

どのフレームの提案も納得できた。

逆にいい提案が多すぎて決めかねるくらいだった。


そこでサービスの技量を試すために、あえて、あいまいな質問をしてみた。


「あのお、デザイン一発で決めたいんですが・・・」


これまでの提案で私の嗜好を把握できていた店員さんは、奥から極めつけのフレームを出してきてくれた。


まさにどんぴしゃ。最高の出会いでしたよ。


値段もみずにかけた瞬間、


これにします。


って言ってしまった。


初めてとのことで、デザイン性が高いのはあまりお好みではないかと思いまして・・・


いやいや、思いっきりお好みですよ。


この出会いはそれまでのいくつものフレームを試さなければ絶対でてこない提案だったと思った。


プロだわ、この人・・・

眼鏡認定士保有者


これが噂のメガネをこよなく愛するプロ集団か・・・


そのあと、丁寧なレンズの説明があって、決して高いレンズではなく、度数にあった適切なアドバイスも魅力的な提案だった。


しかし、そのあとに驚くべきものがあった。

涙がでるくらい感動のサービスが待っていた。


フレームとレンズが決まって、お客様カードと称するものに必要事項の記入である。

これは当たり前すぎる。問題がその記入項目にある。


もちろん任意の記入項目であるが、


目に関係する疾患のデータ記入欄があるのだ。


具体的に言えば、血糖値である。

血糖値は糖尿病のバロメータで知られているが、糖尿病の合併症で一番怖いのが緑内障で失明することでもある。


このメガネやさんは、メガネを通じてその人の人生をみてくれるのである。


急に度数が変わったり、見えにくくなったら、メガネを通じて命の危険をアドバイスすることもできる。


私が購入したのはレンズとフレームセットで31000円のものである。他にクルマを運転する時のためにサングラス用途に別のフレームとレンズをセット価格の10500円プラスカラーレンズオプション代で購入した。


たったの45000円で自分の目と命をずっと守ってくれるというサービスがついてくるのだ。


このサービスは富士メガネさんを利用する限り、セットのお得価格の10500円でも、18金のフレームで数十万円のものでも変わらないのだ。


ビジネスモデルなんていう域を超えている。


正に利益はあとからついてくる結果でしかならなくて、メガネのプロとして自分たちがお客様にできることはなにかを考え、ただ当り前のこととしてやっている。


坂本先生の本では難民支援というミッションを通しての活動を中心に紹介されていたが、その成果がこういう形になって表れているのか、と感動した。


筆者は実はメガネ業界については結構詳しい。レンズやフレームの原価がわかる。

巷でレンズとフレームセットで5000円というビジネスモデルで儲かるのもわかる。


しかし、5000円のお店でこんなサービスがありますか?


富士メガネさんは10500円からこのサービスがもれなくついてきます。


プロ中のプロのサービスに出会い、感動した。


クルマで一時間で行ける筆者は幸せ者である。

購入したお店はもちろんだが、近いうちに札幌の本店を訪ねて、お礼を言いたい。


お金を払う顧客が本心からお礼を言いたくなるサービス。


これが究極のビジネスモデルですよ。