二型糖尿病患者が、重症化して、失明や腎機能障害までに至る最大の理由は血管の糖化です。
血管の糖化とは、タンパク質で構成されている血管に、処理しきれなく血液中にあふれ出た糖と血管(=タンパク質)が結びついて、血管に傷ができる状態のことです。
血管に傷ができると、傷を修復するため血管内壁にアテロールという袋状の構造物ができます。傷を修復するためアテロームができるんですね。
さて、人体には異物を排除するための免疫機能があります。免疫機能は、異物と認識すればサイトカイン(免疫系細胞から分泌されるタンパク質)で異物を攻撃します。
問題は、免疫機能が外部由来の異物か(例えば病原体)、自分の血管の一部であるアテロームなのか認識できないところです。サイトカインは、自らの血管内壁のアテロームを異物と認識し、アテロームを活性酸素により攻撃して排除しようとします。
血管内壁のアテロームに対する免疫機能の活性酸素の攻撃により、血管内壁に炎症が出始めます。その炎症が引き金となって、さらにサイトカインが分泌され大炎上へ。そう、これが糖尿病のイロハです。自分の血管を免疫機能が攻撃してしまう状態を「サイトカインストーム」と呼びます。
余談ですが、先日お亡くなりになられた八代亜紀さんも「膠原病(=自分の身体を免疫機能が攻撃してしまう病)」だったとか。舟歌が大好きな僕にはショックでした。
糖尿病患者に云うべきことは3つしかありません。
1.何を食べたら急激に血糖値が上昇するのか知ること
2.血糖値が上昇する食材を食べないこと
3.血管の炎症を抑える食材を積極的に食べること
「1」は、自分で食後血糖値を測定しながら見極めるしかありません。
「2」は、糖質制限食の実践ですね。すなわち炭水化物を少量に抑えるです。
「3」は、もしかしたら「カマンベールチーズ」が有効かもしれない仮説です。
「3」について、「発酵乳由来ジペプチドのアルツハイマー病予防効果-WYジペプチドの摂取が脳内のアミロイドβ沈着と炎症を抑制し、 認知機能低下を予防する-」の記事を見かけました。
以下、上記記事からの引用です。
脳内清掃細胞であるミクログリアの炎症状態を抑制する乳ペプチドを探索した結果、Tryptophan-Tyrosine (WY) ジペプチドを発見し、これを老齢マウスに摂取させると認知機能が改善されました。
アルツハイマー病モデルマウスに、病態発症前からWYジペプチドを経口投与すると、ミクログリアのアミロイドβ除去機能の亢進、炎症状態の抑制など病態の改善がみられ、認知機能の低下も予防されました。
WYジペプチドは、特定のホエイやカマンベールチーズなどに多く含まれており、これらの発酵乳食品の摂取による認知症の予防が期待されます。
引用終わり
ポイントは、「WYジペプチドは、特定のホエイやカマンベールチーズなどに多く含まれており」ですね。脳の炎症も血管の炎症も同じメカニズムと僕のアンテナにヒットしました。
さあ、人体実験開始です。