外周路を1周してみた
翌朝日の出は6時50分頃です。
港の堤防にて御来光を仰ぎに行きます。
しかし、同時刻はあいにく雲がかかって日の出を拝めません。
従来の経験から日が昇れば雲の間から陽が顔を出すことがあるので
東堤防で粘ると、ほら朝日と朝焼けと薄っすらサンロードが。。。
お楽しみの朝ご飯はテラス席で気持ち良く頂きます。
イタダキマス! 少し曇っていますが海はクリームソーダー色です。
少し休んで外周路1周約4Kmの探検です。時計回りで回ります。
天気も晴れてきてご機嫌よろしく歩いていくと、
まずはこの島で一番大きい浜。屋良浜です。
大潮の引き潮です。シュノーケリングのメッカですが誰もいません。
しばらく歩くと夫婦岩がありました。
昔、仲の良い夫婦が島にいてそれを表した岩だそうです。
立原浜はゆらゆらと穏やかな透明な海に珊瑚礁の美しい浜ですが、
北東へ進むにつれ打ち寄せられた海外からのゴミが多くなっていきます。
人口50人、お年寄りがほとんどの島で掃除ができるわけがありません。
ボランティアも来ないんですねー。ゴミが憎い
このきれいな海を佇んで眺めていると私の頭の中は何故か、
「Drコトー診療所」のテーマ曲に支配されます。この島によく似合う曲です。
そろそろ中間地点。
外周路はこんな道を延々と4Km歩きます。
逃げ場がありません。3月にして私、軽い熱中症になりました。
もしも急な雨に降られたらおしまい。百均の使い捨てカッパは必帯です。
外若浜。
今まで人っ子一人見かけませんでしたが、
この浜でやっと一組の家族連れの観光客と出逢い挨拶しました。
知らずのうちに無人島と錯覚していました。
サザエのような大きな貝殻をつけて歩いているデカいヤドカリを発見。
あとで聞いたら天然記念物のオオヤドカリさんですって。
船原浜。外周路最後の浜辺です。
2時間かけて歩きとおしました。体力がもうありません
やっとこさ集落に戻ってきて、
あざて家の前を通ると店主が手を挙げて挨拶してくれます。
なんか島に溶け込めたかなーと、うれしく感じながらビールを注文。
熱中症の特効薬とばかりにまずはグーッと一杯!
島内と集落を歩いてみた
一息ついて、天気よろしく内陸を散策してみました。
まずは島の中央にある鳩間島のランドマークである灯台を目指します。
通り道にある島民以外進入禁止の友利御嶽に遠くから手を合わせ、
緩やかな丘の道をゆるゆると上っていきます。
迷いました。
ランドマークだけにそれは大きく示していると思いきや目立った案内板が無い??
どうも民謡の鳩間中森で名だたるこの薄暗い中森の奥にそれはあるようです。
ありました鳩間島灯台!ドラマ「瑠璃の島」主人公の成海璃子が柵に腰かけて
海を見ていたシーンが思い出されます。実際は柵から海は見えません。
横にある展望台を兼ねた物見台(復元)を上ってみましょう。
ここに来れば鳩間島の周囲が見渡せます。
ドラマでは成海璃子が港の神木隆之介に手を振っていましたが、
それは無理です。見えません。
見通しはいいですが、さすがに港は見えない。
他に行きたい所がたくさんあります。先に進みましょう
ここはかつての島人の飲み水をたたえていた下り井。
今では野良ヤギが飲みに来るのだろうか?ここにはヤシガニがたくさんいるとか。
昔カツオ漁で栄華を誇った時代には、
現在の人口約50人を大きく超える7,000人超が住んでいたそうで、
集落を歩いて行くとそれを物語るように何件もの廃屋が、
時の移り変わりの証人としてひっそりと佇んでいます。
それには似つかない近代的な建物を発見。
鳩間小中学校に通う生徒さんの宿舎「つばさ寮」です。
そこから少し行ったところに鳩間小中学校。
現時点で7名の生徒さんがいますが、
この3月に4名が卒業して巣立って行くとのこと。
4月には新たに入学or転入の生徒が何名か来るとのことです。
学校の存在は昔よりこの島を支えてきました。
学校前のナラリ浜。
私からすれば、学校前にこんな美しく穏やかな浜だなんて何とも贅沢な。
ナラリ浜の旧東堤防。
港へ戻る途中
我が物顔で闊歩する野良ヤギさんの家族に出会いました。
写真と同じアルミ製の細長いタンクを宮古の大神島でも見ました。
戦後、米軍より寄与された軍機の燃料タンクで
水タンクとして再利用されたと大神島では聞きました。
道一つをとってもこんなに素敵です。
真ん中に芝生が生えている道が昔ながらの鳩間島の道とのことです。
個人的には指定文化財にしたいくらいです。
島内で目を引く沖縄風情の立派な邸宅。今は空き家で
離島されたご家族が機会の折に寄られる別荘のようになっているらしい。
港まで戻ってきました。
閑散としていてこれもほのぼのしますね。
港のすぐ近くに建設中の宿がありました。屋上もあってハイカラです。
島内の方が経営するお宿になると聞きます。
今夏オープン予定らしいのですが工事が進んでいなく
間に合うんかねと地元民は話していました。
「宿 花咲か爺さんの竜宮城」とありまです
お楽しみのゆんたくの夜
本日の宿の夕食。やっと出てきました、マイトウゼ名物「鴨そば」。
先代が養殖を始めたフランス鴨を使ってのオリジナル。
お味は触感がしっかりしていて普段食べ慣れている脂っこいものとは違います。
名物「鴨そば」 八重山そばの鴨バージョンです
食べられて満足でした
養殖場は丘の中腹にありますが、食堂の軒先には可愛いー雛がわんさかおりました。
これがご馳走のフランス鴨。
雛かわいい。
さあ、同宿者無しのひとりの夕食。
隣席では建次さんはじめ島人が5~6人で盛り上がっています。
食事後、建次さんと羽根田先生に招かれて、
私は昨日ソムリエさんから頂いた泡盛を抱いて輪に入れてもらいます。
これをこの島の名物ゆんたくといいます。
メンバーは建次さん、羽根田先生、アキオさん、学校の先生、近所の島人等々。
うれしー 私はこれを体験したかったー
島人で民謡家の浦崎さんは三線弾きの名手。話も饒舌で楽しかったです。
Youtubeにアップしている浦崎さんの三線。
世に知れている鳩間節より現地ではマイナーなこの鳩間中森が愛されています。
実に心に沁みます。
八重山民謡「鳩間中森」 浦崎 宜浩
この島には他に三線の名手として
「民宿あやぐ」のオーナー 仲宗根豊さん、
「民宿いだふに」のオーナー 加治工勇さん等がいます。
シーズンの夜は各宿でオープンで寄り合い、老いも若きも混じって、
酒を持ち込み繰り広げられるゆんたくが島の集落にこだまします。
この宿のゆんたくはかつて連日、日をまたいで盛り上がっていたそうですが、
昨今では歳を重ねた建次さんの健康を案じて9時でお開きとなっているようです。
無論、建次さんは納得していませんが
今夜も9時を回りました。
重い雲が満月と満天の星を隠し、真っ暗闇となった小径を
懐中電灯片手にひとりボッチのバンガローへと引き上げる私でした。
南の夢の鳩間島 ③ へつづく