
人が死ぬという事実が、正直辛すぎる。
私が会ったことのある人
私の知っている人
私の好きな人の大切な人
私が触れたことのある人。
ありがとうを伝えられないまま、さようならするということ。
伊藤計劃というひとの作品を、読む。
彼の残した文章を目にした後、もうこの世界に生きていないのだと
クラシックでない文学を読むには悲しすぎる。
口にしたいでも、伝えたいでもなくて、書きたいということ。
私も聞かれれば、最終的には、その方法を選ぶのだろうな、と。
さあ、ラヴレターを書こう。

昨日の雨に落ち込んだ後だったから。
天気がいいのが嬉しくて、メールを入れる。
幸せです、と。
最近の私には、全部が大事で、懸命になりすぎている。
他人からの期待に、応えることはできないのに
それでも、と笑うのは、ひとりよがりだから。
ピクニックしたい。

隣のひとの存在を何度も確かめるように声をかけた。
ただ口元を歪めることも、指先に触れる感触も
あんまりあったかくて、
そうしてしまったのは、見上げた空があんまりにも綺麗で
雲が流れる様子を呆けて眺めるのが、彼の頬から目を離せないのと同じように見えたから。
どうして隣は、彼じゃあないんだろう。
不満なんて、ないんだけど。
雨と風と太陽と、全部私を叱るの?

