ただいまヒットしているらしい映画「ジョーカー」
ぼくはこれを見るのを、少々ためらっていました。
なぜか?
ぼくは人の映画の感想を見るのがわりと好きで、ツイッターとかでフィルマークスで見ています。
あまりネタバレとかを気にしない人間なので、そう言ったことも全く気にせず読みます。
で、ジョーカー。といえばやっぱり「ダークナイト」を思い出してしまうわけで。
それは世界中の多くの人にとって一緒だと思うんですが、そんな中このネタに挑んでるわけなんで、
それだけですごいなと思うんですが、今回のジョーカーは、どうやら社会的弱者として描かれているらしいと、
そういう情報を見たんですね。
社会的な弱者が強者たちにいじめられ、社会に見放され、だんだん狂っていき、社会に復讐していく。
というストーリーは、なんとなく先が見えていて。
「ダークナイト」のジョーカーが、あ、すげーと思ったのは、そういったわかりやすい論理にとにかく真っ向から
アンチテーゼをぶつけていく。強くて、底知れなくて、執拗で、でもカラッとしていて、なんならちょっとキュートで、
敵キャラとしてとても素敵なキャラクターだったので。
それとはだいぶ違うキャラクターであり、延々と悩み苦しむキャラを見続けるようなら、キツいなぁと思い、
ちょっと敬遠していました。
ところが、友人のカメラマンが、「すごい難しい撮影もしてるし、面白かったですよ。やっぱコメディやってる監督って、
なんでもできるんですね」なんて言うもんだから。
確かに、ジョーカーの映画ってかつてヒットした「ハングオーバー」というコメディ映画の監督なんですね。
じゃあ、映画サービスデーだし、見にいくかとなったわけですね。
で、感想としては、長い言葉を経て、経て、そして、「悪くない」ということでした。
ぼくが感じた良いところでいうと、やはりコメディ映画でヒットした監督だけあって、演出のアイディアが豊富で、
陰鬱なストーリーながら、楽しく見れるんですね。
ラストの演出も、あぁ、これこの前の自分の撮影でやりたかったやつに近いなぁとか思いながら。
カメラマンの友人が褒めていたように、映像もいい絵が多かったような気がしました。
みなさんが言うように、主演のホアキンは当然、難しい役どころをリアルに表現しているような気がします。
良くないなぁと思ったのは、やはりストーリーで、まあ先が何となく見えてしまう。あぁ、そうなるのね、やっぱり。
という展開だったこと。
あの子供が出てきたことも、後半の父親絡みエピソードも、これが連作なのであれば意味をなすんでしょうが、
だってこの一作で終わっちゃうんでしょ?ていうのがあるだけに、活きてないなあと。
そして不満を全部言葉にしちゃう。これはもう、言葉にしたら陳腐というか、まあそうでしょうよ、という感じに
ぼくなんかは思ってしまった。
何より、この映画は、このアーサーという主人公が妄想癖の持ち主で、たびたび妄想らしきシーンが登場するわけなんですが、
話が進んでいく中で、そして何よりラストですら、これは妄想かも知れませんよっていうフリをしてきていて、
そうなると、いわゆる夢オチと言われるようなことになってしまうと。
これはもう、うまいこと描かれていないと、俺はこの2時間何を見せられていたんだ状態になりかねないので、
そんな危険も孕んだ作りになっているあたり。なんだかなぁと思ってしまったわけですね。
そんな中一番印象的だったのは、クライマックス後、パトカーに乗せられている時に、暴動で燃える街を車の窓から見ながら、
「綺麗だ」的なことを言うくだり。
誰か一人の私的な怨恨からくる攻撃的な行為に乗っかって、暴れまわる人々。そうして燃上していく街。
これはまさに、今ネットの世界で起こっていることなんじゃないかと。
狙っているのかいないのか、わかりませんが。
架空の街、時代ですが、時代設定は70〜80年代くらいなのかな?
携帯電話とかネットとか出てこないんですが、現代を意識してる感じですよね。
早速、やっぱり、香港のデモで、ハロウィーンの時に、これをもじっていたみたいですが、それはどうなのよ?
コメディでヒットした監督らしく、最初と最後、それを意識した作りも、あぁなるほど、と思いながら、
工夫はたくさんされている。でもそれが結果的に作品全体の跳ねに活きていかない。
と言うわけでその結果、「悪くはない」という感想になってしまうんですね。
僕は、こういう感じでやるなら、「ジョーカー」じゃなくて、「アーサー」として、彼の人生にもっとフォーカスしていって、
子供の時から追っていって、完全に人間ドラマにしちゃってもいいじゃないかと。
でもあの監督はそういう感じじゃあないよね。
という感想でした。
