自宅に戻って一年とちょっと


退院して実家にいた日を足しても、一年四ヶ月です。

その時間というのは私にとって日々大切な時間だったと思います。

去年の今頃は絶対にできなかったことが、今日はできるようになっていました。

それは二つの出来事です。

「たけのこの皮をむいて半分に包丁で切ってゆがく」ということと「雨の中を傘をさして歩いて傘をつぼめる」という動作です。


たけのこを切って・・・


これって、そんな難しいことじゃないし・・・と思いますよね。

健常だったときには考えもしなかったこと・・・たけのこの根元って結構硬いじゃないですか。

先っちょは軟らかいのに根元のところが硬く包丁が止まっちゃって包丁を抜こうにも上手く抜けずに、たけのこに包丁を突き刺したままの状態で夫の帰りを去年は待ちました

今日買い物に行ったら朝取りたけのこが売っていて、夫がたけのこの煮物が好きなので旬物だからぜひ食卓に出したいなあと思いました・・・だけど、去年の四苦八苦したことを思い出し、やっぱり無理かなあとあきらめようかと思ったのですが、この頃包丁を使って何か切るのも苦しまずにできるようになっていたのでチャレンジしようと思い直しました。

万が一またたけのこに包丁が突き刺さった状態になったとしても、夫に抜いてもらえばいいんだから・・・となんか気持ちが楽になっていました。

やってみたら、やっぱり根元はちょっと硬かったけど、去年のような苦しみはありませんでした。

思っていたよりラクに縦半分に切れてへえ~~できちゃったねえ・・・って感じでした。

たけのこの煮物の出来具合も良く、夫がおいしいといって食べてくれたのはうれしかったです。

またたけのこを買ってこなくちゃねやった!


傘をさして・・・


去年の今頃はまだ杖なし歩行はできなかったので、傘をさして歩くなんてことは夢また夢。

でももうちょっとしたら杖なし歩行が出来るかもしれない・・・という根拠のない思いがありました。

傘をさして、そのあと傘をつぼめるってことはできるのかなあと急に思いやってみましたが、傘をさす事すら左手は傘を支えることが出来ないという現実・・・

かさをすぼめることも当然のようにできませんでした。

なんで???どうして???という気持ちでいらいらと悔しさが一気に私を襲っていました。

それからは、私は傘をさして外に出ることは出来ないんだとその後はずっとチャレンジすら避けてきました。

今日いつものように夕方の散歩をしていたら雨がぽつぽつ降ってきてその後ちょっと強めに雨が降り出しました。自宅まではまだ5分以上はかかるぐらいの場所にいて雨宿りをして雨がやむのを待っていました。

そのときに「傘を持っていけば」と声をかけてくださった同じ町内会のご主人が傘を貸してくださいました。

せっかく貸してくださったんだからと傘を手に決意して傘をさしてみたら、多少手がブルブルと震えていましたが難なくさすことが出来そのまま普通に歩き出すことが出来ました。もう自分の中ではあきらめていた動作が出来るようになっていたことは驚きを通り越しスゴイ!スゴイ!と興奮していました。

家に着いて傘をすぼめる動作までどうにか出来ていたのには本当に驚きでした。

夫は以前から「もう杖なし歩行が出来るんだから傘をさして歩けるんじゃないの?」と言っていました。

でも私がずっと「無理、できなかったもん」といい続けていたのでそれ以上は夫は言わなくなっていました。

「今日傘をさして歩けたんだよ」と話したら「へえ~そりゃすごいね」と一言言ってくれたことがまたうれしくてありがとう