- 物や材料が時間の経過や使用によって 性能・機能・美観などが低下すること。
- 「老朽化」や「損傷」と近い意味だが、必ずしも壊れることを指すわけではなく、徐々に質が落ちていくニュアンスが強い。
工学・技術分野での劣化
- 化学的劣化:酸化・腐食・紫外線による分解など。
- 物理的劣化:摩耗・疲労・ひび割れ・摩擦による性能低下。
- 機能的劣化:精度が下がる、強度が落ちる、動作が不安定になる。
日常的な使い方
- プラスチックが黄ばんで割れやすくなる
- バッテリーの持ちが悪くなる
- 建物の壁がひび割れる
- 顔色や肌ツヤが衰える(比喩的な用法)
物が劣化する主な理由
1.
熱力学的な理由(エントロピー増大の法則)
- 宇宙の基本原則として、物質やエネルギーは「より無秩序な状態(安定状態)」に向かう性質がある。
- 例えば、鉄は「鉄そのもの」より「酸化鉄(サビ)」の方が自然界で安定 ⇒ 放置するとサビる。
2.
化学反応による変化
- 酸素、水、紫外線などと反応して化学構造が壊れる。
- 例:プラスチックの分子が紫外線で切断されて脆くなる。
3.
物理的な摩耗・疲労
- 繰り返しの力や摩擦で分子レベルの結合が壊れていく。
- 例:タイヤが摩耗する、金属が繰り返しの応力で疲労破壊する。
4.
環境からの影響
- 温度変化、湿気、紫外線、化学物質などが劣化を加速させる。
- 例:高温でゴムが硬化、湿気で木材が腐食。
5.
生物的作用
- カビや細菌によって有機物が分解される。
- 例:食品が腐る、木材がシロアリに食われる。

