鬼のことを思うとただただ切なくなります・・・




たった一人で島に住み、孤独な鬼。

ただ人間と遊びたい、ふれあいたいだけなのに、

見た目だけで誤解され嫌われ、敬遠される。

それでも諦めず、人間と一緒に暮らせる場所を求め

時が経つのも忘れてひたすら歩き、

アテもなくさまよい続ける鬼の話。



長女ちゃんも『鬼がかわいそう』とつぶやいていました。


読後は胸がずきずき痛みました。

人間の鬼に対する仕打ちは冷たいと思うし、鬼がかわいそうだと思う一方で、

人間が鬼の恐怖から逃げ出したい、危険を回避したいというのは

動物の本能的な部分で当然の行動だから

責められるものでもないとも思うんです。



世の中、明確に善悪で判断できるものでもないし、

それぞれの立場があればそれぞれの主張もあるので、

そこを無視して第三者が感情に任せて

善悪を判断してはいけないと思うのです。



『遊びたい』と願うだけの鬼の声に

聞く耳をもたなかった人間が『悪』と言い切るのは

ちょっと違うんじゃないか、

と色々考えさせられる絵本でした。



願わくば旅の果てに別の鬼と出会えて

仲良く遊ぶことができて欲しいと願います。