2009/06/02 | ダダ散文

2009/06/02

私たちは役を持たされぬまま
この世に生み落とされた

役をもらえぬまま生活を営むのは不安で不安で仕方ないんだ

仮役でももらったら

少しは安心出来るけれど

でも一体何の安心だか本人にも分かりやしない





君役が決まったの

それはおめでとう

何の役だい

言いにくそうにするナイーヴな彼を思って

私は周りに聞こえないように小さな声で彼の耳元で囁いた

まだよく分からないんだけど‥

そう言って顔を赤らめ俯き

でも彼は嬉しそうだった


それからしばらく経って

私はまだ役がもらえぬまま

彼の舞台へと訪れた


そこにはピエロがいた


彼に通達された役はピエロだったのか

それでも一生懸命に道化続ける彼を見ていたら

私は知らず涙が溢れた

彼は一生懸命に演じていたんだ

だけど私にはピエロの役さへも

何も通達が無いんだ


‥代役でもまわって来ないかしら‥


誰かが役を失う事になるけれど。