2009/04/22 | ダダ散文

2009/04/22

誰か私に質問をしておくれ


質問されれば答えようもの


私はされど私の質問には答えぬよ


そこには私が居ないからさ


ああ
どうか私に誰か質問しておくれ


私に又一人夜中のしけった海をぼやりと見よというのか‥‥‥‥


そう言うのか‥‥‥



展開は一変


私は私を忘れなくてはならなくなった


残したものは
叶わなかった切望のみ


でもそれは生くる人間には叶わぬ望みだから


私は知っているのだよ

私は知っていたのだ


けれど胸の底から這い上がってくるものだからこそ


切望と言うのじゃないか
切望と言うのじゃないか


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


お願いだ

祭り火を燃やす森の魔女

老いてなおこそ
私の願いを聞き届けてくれるだろう?



まやかしを
不純なるまやかしを

私にかけておくれ


寝起きの私しめに


お願いだ
懇願する


この命貴女に預ける

覚悟はとっくに決まっている

それは貴女にはご存知だろう


だから頼むよ
お願いだ


老いてなおますますこ狡くなる魔女よ


少しだけ祭りの手を止め

私にまやかしをかけてくれ

朝に何かを望む人間は居ない事など
貴女には何百年も昔から知っていることだろ


だから頼むのだ


寝入り起きた私にまやかしを

ああ
どうか卑しいまやかしをかけておくれ


今はまだ彼女居る森は

こちらからは燃えてる炎の残映が
ぼやりと妖しく正しく

空を彩るのが見える