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消しちゃった…

誤って、12月6日の日記を消しちゃいました…。

コメントをくれたのらさん、ごめんなさい!

なので、ここにもう一度アップします。


タイトル:おめでとう三歳

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体調も少しずつ良くなって、ケーキのイチゴはほとんどひとりで食べたね。

これからも元気に育って下さい。

お父さんからあやぽんへ。

あやぽん

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はじめまして、あやぽんです。

パイナップルです。

向こう側から染み入るもの

過去の日記より。



しろうより。




牛丼である。
ふとかかってきた一本の電話によりはるばる西へ行くはめになった今日の夕方、ひどい渋滞に巻き込まれながらも焦りをなんとか飼い馴らしつつ、現地にて少々骨が折れる仕事のようなものを終わらせたのが午後九時。
夕食時間だ。
カウンターの空いてる席へ腰を下ろすと、図ったか図らずかカップル風の女性の方がオレの目の前の位置にいる。
お腹が空いてるようなまだ胃が痛んでるような気分でいるとふと漂う香り。
香水系の世間的に良いとされる方の匂いである。
確かに悪くはない。
ちらとそちらを見ると成る程少々濃そうな化粧周りの女性であった。
距離にして三米程。
これが意識すると芳しさを感じる距離なのか。
そして直ちに運ばれてきた牛丼を上がらないテンションで食していると、また漂う香り。
少し嗅ごうと意識はしていたが。ただちょっと待て。
目の前の出来立てに程近い湯気立った牛丼の三米程向こう側から、牛丼の纏わり付くような匂いと同居出来る香りとはなんと強力な香りか。
ひとしきり食べる。
意識して嗅ぐ。
まだ匂う。
またしばらく食べる。
意識して嗅ぐ。
やはり匂う。
かと言ってツーンとくる刺激臭ではない。
甘くたおやかで、それでいて時間が経ったことで消えかかりつつある風情もまた感じるのである。
細く鋭くいつまでもその香りはオレの鼻を捕らえ続けた。
芯が通った強さについて学んだような気がしたひと時だった。



時間は前後するが、今日の昼間に前妻と電話で話しをした。
前妻である。
前菜でも善哉でもない。
前の妻である。
現在現妻と生活中であるから、言ってみればバツイチマルイチである。楽市楽座ではない。
サザンの40周年LIVEの報を見て、そういえば神戸まで一緒にLIVEに行ったことがあるのを思い出しそんなメールをしたのが数日前のこと。
そもそも全く連絡を取り合わなかった訳でも会っていなかった訳でもなく、そこそこ通じていた。
ただオレが再婚して彼女も再婚した後はさすがに疎遠になり、最後に接触したのが向こうの母親を交えたお金の話しだったから、少々気まずい思いを引きずっていた。
あまり期待しなかった返事が入り、短い待ち時間でメールをやり取りするうち、時間ある?ってことになり電話をこちらからかけた。
久しぶりに当時の良い時のテンションで話しが出来てるなと勝手に思っていたら、ふと彼女の声に元気がない。
そう告げると、「あんたと話してると不愉快になる」といつか聞いた台詞が返ってきたので、「それを聞いたらオレも不愉快になるとは思わんのん?」と返し、ちょっと笑った。
そんな悪口のような軽口を当時はよく交わしたものだった。
オレと彼女の間には秘密の事柄があった。
二人だけの秘密という意味ではなくオレには知らされていたが彼女には知らされてなかったある重大な事実があったのだ。
そのことはオレを結婚前中後とふと思い出すごとに苦しめることになった。
ただそれが何であるかをここに記すつもりはない。
彼女は躁状態にしろ鬱状態にしろどちらもヒステリー的に現れる傾向があった。
ヒステリーな鬱などあまり聞いたことがないが、ただ気分の瞬間的な移り変わりはまさに神業で、一番疲れるのは振り回される周りの方ではなく本人だろうにと思わせる程だった。
そんな性向をかわいいと思う恋人時代、眉をひそめ始めた結婚前期、衝突と和解の繰り返しが良い意味でのあきらめと微笑みに変わった結婚後期。
オレは彼女を理解しているつもりだった。
最大の理解者たる存在でいたかった。
だからこそ彼女には今までそのことを告げずにいた。
そんな彼女が、ふとしたことでその事実を知って驚いたと今日唐突に言った。
その経緯を聞きながら情けないことに「ああ」、「ああ」と繰り返すだけのオレ。
何を言っても嘘になってしまいそうで油断すると涙を流してしまいそうで、冷静に同じ言葉を繰り返すしかなかった。
彼女は乗り越えていた。
若い時に聞いていたらどうにかなってたかもしれない、だいぶ大人になったから、と彼女は言った。
でもオレにはこの電話の最初に聞いた元気のない声と同じ響きを感じていた。
渇ききった涙の向こう側からその声は搾り出されているように思えた。
でもオレにはそれが彼女の正直な気持ちなんだということが伝わってきた。
そのあと彼女は「ありがとね」と言った。
何かしてあげられていたのかどうかは分からない。
それが彼女にとって本当にいいことだったのかも分からない。
でも時は流れた。
オレも彼女も、離れてはしまったけれど同じ速さで年をとった。
最後に「まぁ今度一緒にメシでも食おうや」と言って電話を切った。
無理矢理元気を出してそう言ったけれど、時間が経ってもその余韻は続いていた。
なぁ、いつまでもあなたはオレにとって大切な人の一人だよ。
たとえもう愛していなくても。




よしこへ。