【書評】伊藤真の憲法入門 第6版 | 新・予備校ではわからない公務員試験対策【公務員試験Lifehack】

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予備校業界に長くいます。予備校講師の目線からみた公務員試験対策本のレビューが中心です。
最近は、レビューを超えて、勉強法も書き始めています。
受験生のためになればと思っています。

 

 

【書籍名】伊藤真の憲法入門[第6版]
【筆者】伊藤真
【出版社】日本評論社

【独学者必読書!! 憲法の最初の教科書】

 

1 憲法の全体像が短期間でわかる!

本書は,伊藤先生が作った伊藤塾の「体型マスター」部分を本にしたもの。

まさに憲法の勉強を初めるにあたって最初に読むのに適している本。
現在のちょっと古い通説(宮沢・芦部説)&基本的な判例の考え方がよく分かる。
これより簡単な憲法の本はないという本です。

国家一般職や裁事,地方上級の憲法の勉強を始めるなら,真っ先に読んでほしい本です。

 

2 書いている内容は悪くはないが…

本当にいい本ですが,ハイレベルの公務員試験を受けられる方は注意です。

特に,国家総合職の皆さんは読んでもいいですが,この本は所詮宮沢・芦部説のレベル+αですので,最近の学説や判例の問題意識,ましてや三段階審査については完全な理解できるわけではないのです。

これを読んでベーシックな憲法の思想を学習し,その後,「今の憲法」の学説をきっちり理解したほうが論文試験では高得点が取れると思います。(一応注意ですが,裁事憲法はそこまでいりません。)

 

3 判例は…

公務員試験の択一試験の肢によく判例を聞く問題が出題されます。もちろんこの本は初学者が読むためのものですかた,公務員試験に必要な判例がすべて乗っているわけではありません。

また,判例が載っていたとしても,詳しく分析されて書いていないため,国家総合職のようなハイレベルの論文試験では少し物足りないでしょう。

 

4 総括

私も最初に読んだ憲法の本はこれです(もちろん初版でしたがw)伊藤先生の講義も受けていましたw

この本は,初学者,しかも独学者はとてもいい本だと思います。絶対買った方がいい。特に独学者は,過去問解きまくり!や新スー過去をいきなり解くよりも,憲法を理解できると思います。

せめてこれを読んでから,過去問解きまくり!や新スー過去に行ってください。

ただ,予備校に通っている人はこの本を読む必要はないと思います。
全部わかっている内容であると思うので(もし,この内容を教えていない講師はヤバイ)

独学者 星5(5点満点)