ビルの隙間に挟まって
今あなたはパソコンに向かう
マウスの音と
キーボードの
なんてロマンのない音なの
くたびれてしまうわ
眉を寄せて肩を詰まらせ
小さい字を見つめるあなたに
私の入る隙間はないの
私の体が溶けてしまって
この川を渡れたら
いい
のに
ね
カササギさんには申し訳ない
愛の言葉を言いたくて
疼く心を
そっと撫でるの
似合わない顔をしてしまって
あなたはどんどん遠くなる
一年ぶりの田舎の夜空に
心を奪われてしまって
あなたはけして
私を見ないのでしょう
一年間、何を想っていたの
私のこと忘れてるのね
憶えていたら
あいにきて
夜空が晴れる度に想うの
何億光年遠いあなたのこと
むしろ沈めてしまいたい
山の間の森の奥
今あなたはお昼まで寝て
ひっそりと花を育てている
売られていく子は誰かの愛に
売られない子は私の愛に
それがあなたの口癖で
枯れてしまうのを
何よりも寂しい瞳で見つめる
あなたの心とともにいる
気がしていたけど
気まぐれなあなたの
瞳の揺らぎは
川の向こう
川の
向こう
カササギさんには申し訳ない
愛の言葉を聞きたくて
川のせせらぎさえ邪魔で
星の輝きさえ邪魔で
そっと撫でた
あなたは
気まぐれに僕を
想うのでしょう
夜空が泣くとき
晴れるとき
いつも想う
常に寄り添うあなたの分身
あなたのその体を
今すぐ
迎えに行きたい
気持ちを静かに
川へ沈める