無題268 | 無題

無題

独り言


がむしゃらに走った
汗だけを散らして
足だけをひたすらに
目の前の骨にしゃぶりつき
また走り出す
そして

周りには誰もいなかった





置いていかれたのか
置いていったのか
道を間違えたのか
それとも僕は死んだのだろうか

殺風景な夢の跡







僕は死んだのだろうか
心臓さえも僕を見放して

死に急ぐ僕が見失った物は
きっと《目の前にある》物なのだろうが

生憎目は衰えてしまって。

僕は手探り
走り出す







肺が潰れたらどうしようか

夢の先でいつの間にかに死んでいるなんて
それ以上に幸せなことなんて
きっともうこの世界には
残っていないよ

それ以上の幸せを
追い求めたらいけないよ



大吉、
僕は涎を垂らしてそれを見ていた


大吉、
僕は物欲しそうにそれを見ていた





足りないのは何
がむしゃらに走って
こんなに疲れたよ

時間もどこかへ消えていった
周りには誰もいないし
もう今から帰る道もないだろ
辺りは泥だらけ
僕は何が足りないというんだい



夢の中でひたすらに
死んでいくことだけを
考えているから駄目なんだ


君は口を尖らせた


僕はその口にキスをした


暗闇の中
やっと見えた赤に
今、僕がここまで走ってきた意味を
知る