無題263 | 無題

無題

独り言


さようならを呟いた
消えた命に手を振った
簡単に泣いた
弔いの花束は


何色





僕らは忘れてしまった

雪溶けて
春の桜
四角い空の青を彩る
幸せの色






僕らは生き急ぐ

何に追われて
何を追って

僕らは時計に縛られて
今日も駅の改札をくぐる
忙しなく黒い足を動かして
桜のあとを踏んでいく

お気に入りのコートを
ゴミを出したら急ぎ足
朝のラッシュに乗り遅れる




今日の空は今日の色だ
当たり前だろ

当たり前だろ





僕らは忘れている

記憶の隅に桜は散る
死んでいく
簡単に泣いた
弔いの花束は




何色?