今、都内のがん診療連携拠点病院の病室でこの日記を書いている。
この病院の入院はこれで3回目。
最初は7月の検査入院だった。

7月になったばかりの頃、みぞおちのあたりに違和感を感じはじめ、
それは徐々に違和感から刺すような痛みに変化していった。
不安を感じて、いつも子どもたちを診てくれている近所のクリニックに

行ったところ、触診をされて

「おそらく胃潰瘍でしょう。薬を出すので様子を見てください」

と言われたのが最初の診断だった。

しかし、薬を飲んでも一向に良くならない、

どころか痛みはどんどんひどくなる一方だった。
「もしかして、胃がん?」と不安を感じた私は、ネットで、

すぐに胃カメラの検査をしてくれるクリニックを見つけ、予約を入れた。
そして胃カメラの検査をしてもらったが、胃には潰瘍もなければ、

ポリープさえもない、我ながら惚れ惚れしてしまうほど、とてもきれいな胃だった。

では、この痛みはどこから来るのだろう?
胃カメラの検査をしてくれた医師いわく、

「もしかしたら胆石かもしれない」とのこと。
そこで翌日、土曜日の午前中に、近所にある総合病院に飛び込みで行った。
紹介状もない、飛び込みの患者を、その総合病院はすぐに受け入れ、

午前中の数時間でCTスキャンを2回(造影剤なしとあり)も撮ってくれ、

その画像を見た瞬間に担当の医師は、
「すぐにご家族をお呼びください」と一人で受診に来ていた脳天気な私に告げた。

今思うと、この総合病院の医師はとても優秀な方だった。
CTスキャンの画像一つで、私にはなにか大きながんがあり、

そしてそれは肝臓に転移をしている、ということを見抜いていた。
ただ、もっと検査をしてみないと、がんの原発がどこにあるのかは特定できない、
その検査をするには、この病院ではできないので、

がん診療連携拠点病院に行った方がいい、ということで、

すぐに紹介状を作ってくれた。

私は、父親の家系にも、母親の家系にも、がんで亡くなった人はいない。
なので勝手に、自分はがん家系ではないから、がんになることはない、

と信じ込んでいた。
このときもまだ、「先生わかってないな、私ががんになるはずがないのに」

などと考えていたのだから、おめでたいにも程がある。

翌週、紹介状を持って一番近くのがん診療連携拠点病院を訪ねた。
その時はまだ、この病院にこれほどお世話になるとは思わなかった。



*がん診療連携拠点病院とは
全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国に作られた、

専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、

がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行っている病院。
(厚生労働省HPより)