香港はすっかり夏模様に

なってきているようですが、

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

だーちょーはといえば

 

はい。

またまた一時帰国しておりました。

 

今年すでに3回目。。かな?

 

今回の一時帰国も

実家の処理に関連したもので

桜の開花を期待したわけでは

全くありませんでしたが

折しも東京は桜が満開🌸

 

大いに堪能することができました♪

 

それにしてもニッポンの

春の風物詩とも言える桜

 

実は、

香港に行くまで、

それほど桜を見て回ることは

ありませんでした

 

 

春の花というイメージはありつつも

そもそも花見とか行く

時間もなかったですし

 

「職場で花見」などということもなく。。

 

 

 

でもコロナでしばらく一時帰国ができず

2年半ぶりの一時帰国を果たした

2022年3月末

 

 

 

 

「あぁ、なんと日本は桜が多い国なんだ!」

と感動したのを覚えています。

 

街中の公園に

 

 

 

そして野山に

 

花咲爺さんが、

枯れ木に灰を撒いたかのように

一斉に色づいていくのは見事ですね

 

それに気がついてしまうと

やはり浮き立つ春の心を

抑えきれません

 

古来、伊勢物語の時代にすでに

 

世の中に

 たえて桜の

  なかりせば

 

春の心や

 のどけからまし

 

と詠われていたことを

ようやく理解できた気がします。

 

 

 

 

 

我々の心を浮き立たせてくれる桜も

盛りの時期はほんの一瞬

 

 

本当に満開と言えるのは

わずか数日で

すぐに散ってしまいます。

 

先述の、「世の中に〜」の句は

平安時代の歌人、

在原業平

(伊勢物語の主人公ともされています)

が詠んだとされており

古今和歌集にも含まれている句です。

 

伊勢物語の作中では、

この句に対する返歌として

 

散ればこそ

 いとゞ桜は

  めでたけれ

 

うき世になにか

 久しかるべき

 

というよみ人知らずの句が

挿入されています。

 

この歌は

 

桜は散るからこそなおさら美しい

このつらい世に長く続くものなどないのだから

 

というような解釈で

無常感をあらわした歌になっています

 

随所に和歌を差し込みつつ

 

「世の中に〜」

で桜に浮き立つ心と

 

「散ればこそ〜」

で桜の儚さとを

 

対比させる見事なつくり

 

以上は伊勢物語の

八十二段にでてくるものですが

あらためて見返してみると

趣深いですね

 

ちなみに全文に関しては

こちらのサイトの主さんが

とても詳しく解説されています

 

浮き立つこころもよいですが

やはり無常なるこの世の

 

儚さを詠った

「散ればこそ〜」

 

の歌により

個人的には惹かれます

 

無常感といえば

 

祇園精舎の鐘の声

諸行無常の響きあり

 

で始まる

平家物語もそうですね

 

 

「此一門にあらざらむ者は

 皆人非人なるべし」

(平家でないものは

 人でない)

 

とまで豪語せしめた平家ですが

 

平清盛が源義朝を破った平治の乱が

1159年

 

壇ノ浦の戦いで平家が敗れたのが

1185年

 

とわずか25年ほどで滅亡

 

まさに

 

奢れる人も久からず、

ただ春の夜の夢のごとし

(こちらも平家物語冒頭)

 

ですね。

 

平家以上に

あっという間に散ってしまう

儚い桜ではありますが

今回の一時帰国では

期せずして花見酒も

楽しむことができたのは

僥倖でした😌

 


うき世を忘れて

桜の木の下での宴とくれば

やはり最後は平家物語から

 

ゆきくれて

 木の下陰を

  宿とせば

 

花や今宵の

 あるじならまし