生田@トレープレフ
一幕は好青年、二幕後半は憂いを帯びた作家。
衣装は変わるものの、演技はそれほど変わらず。発声とかに、同じ事務所のマツジュンを彷彿。

とりあえず、ジャニさんの処で、主演を張っても、自然な演技をこなせる俳優枠。

但し、今回、ひたすら負の役で、映画で太宰治役とか脳男とか演じ、この手の役は実証済みなので、ある種の演出家のアテガキ演出も否めない。


蒼井@ニーナ
『オセロー』のデステモーナ辺りの可愛い系なら違和感の無いアイドル声だが、ちょっと憂いを帯びたニーナであの声は…。
それも全編。後半のかもめのSE挿入後、迫真の演技になると、そこだけ普通の声になったので、あの声は演出なのだろう。


山崎@ソーリン
居るだけで笑いを取っていく。そりゃ、帽子を取るだけで、笑いが取れる役者はあまり居ない。

医者のドールン役とかでも、観てみたい。


梅沢@ポリーナ
結構、謎な役回り。女性は妻帯者・独身に関わらず、誰かに惹かれているが、なぜ、医者?
そして、大竹に対し、なぜあそこまで思い入れが?
渡した果物は忘れさられるが。

この手の翻訳モノでも、安定な台詞廻しで、場を〆ていく。所帯ジミない程度に、でも、家政婦とか使用人が似合う世話好き。


西尾@マーシャ
ニーナと対照的に居る存在だが、結婚後も、トレープレフに思いを寄せる。
キャラ立ちが弱い役なため、このメンツでは、地味。同じ系統と勝手に思っているこまつ座常連の神野さんなら、どうなるだろう、と。


中山@メトヴェジェンコ
ヒゲ眼鏡と出オチ。それでいて、安定の空回り・空気キャラ。この辺は、想定内。


浅野@ドールン
このプレイボーイな医者という役回りを浅野氏でというのがちょっと意外。どちらかというと、硬派な役が多ったので。
この作品に於いて普通の常識人なのだが、何故か、浅野氏が演じるとウラを感じてしまう。

この役を山崎氏と入れ替わりで観たい。


小野@シャムラーエフ
ハゲヅラ。そうきたか。まぁ、見事に空気を読まない、でも、偏屈ジジイにはならない。

舞台占有率は低いが、その分、二度の場面展開では、使用人として無駄に登場。


萬斎@トリゴーリン
タキシードなインテリが似合い過ぎる。それでいて、時代モノでないのに、あの口跡が気にならない。


しのぶ@アルカージナ
今回、若い部分は全てニーナが担っているので、あの甲高い発声は控え目。それでも、しのぶ節というか、独特の発声はあるのだが。


ケラ作品・演出は、役者で観るに限るという結論に至ったので、今回、観劇したが、演出はやはりどうも自分とは合わない。

場面展開とかの、時間経過を単に暗転にせず、客席に見せるという演出は、面白かったが。


ケラ演出の独特の閉塞感がチェーホフ戯曲の暗さに相まって、より、暗い話に。



結論が主役の自殺というゴールのため、その暗さは致し方ないが、それゆえに、挿入されるブラックな笑いが、妙にツボに。

正直、チェーホフ戯曲は誰が演出しようと、メインの役者に左右されるので、今回の若者二人だと、ちょっとダレる。

それでも、去年の三谷チェーホフは、笑いを全面に押し出していたので、飽きることはなかったが。
やはり、木場氏のワーニャ叔父さんとか、メインにある程度の実力派が欲しい。