吉田@フォルスタッフ
楽間近のため、予想通り、声はかれているのだが、時折、使う声色が通る声で、それが妙にツボ。というか、あれが標準な気もするが。
一貫して外道であり、最後に退場する、その瞬間まで、道化として存在し、キャラとしてはかなりイラつくのに、それがイヤミにならない人の良さ。
松坂@ハル王子
長身で舞台映えする発声。前回、ラインハルトで観た時には、感情の演技が…だったが、演出によるものか、昼行灯と聡明な王子との差がハッキリ。
でも、台詞を溜めて話すため、シェークスピア常連の役者に較べると、台詞の淀みなさが足りないかも。
木場@ヘンリー四世
まさかの三番手にして、ある意味タイトルロール。
冒頭の戦術的説明長台詞から始まり、国王としての憮然とした殺陣、そして、病で倒れる直前の妄想、臨終間近の病床までと、長く楽しめる。
蜷川演出作品は結構、常連だったけど、蜷川シェークスピアでやっと、登場。出演舞台を見始めたのは、『ガマザリ』からなので、蜷川シェークスピア作品で、観るのは初。普段だと、最後にクレジットがくるポジションでバードルフ辺り何だろうけど、この配役は完全にダレトク舞台。
特に、ラストの病床シーンは、囁くような声なのに、後方まで通る声で、舞台から台詞を聞き取る事が出来るのがシェークスピア役者という条件というのを思い出した。
立石@居酒屋のおかみ
声に特徴があるので、覚えやすい女優さんなのだが、今回は紅一点状態なので、特に。
一応、フォルスタッフが好きなのだが、ドルに譲るという役で、実は儚い役なのだが、そこを感じさせないあっけらかんとした演技に。
星@ホットスパー
元々、発声が良く聞き取り易いイメージだが、後ろを向いても聞き取りやすいという。特に、ハル王子と対峙すると、より顕著に。
矢野@ランカスター公ジョン
まぁ、映像系の人かな、と。一応、最後でハル王子の気持ちを代弁するキャラなのだが、フォルスタッフに対しての嫌悪感というか、相容れない印象は消えず、あくまで、国王の家臣として、フォルスタッフを厄介者扱いしている印象。
ラストで、頭に上から降ってきたバラが付いたのがツボ。
富樫@パーシー夫人、ドル・ティアシート
久々に観たが、蜷川演出に馴染む若手女優。ただ、あまりに順応し過ぎて、それ以上が。
磯部@ウェスモーランド
脇役ポジではなかなかの美味しさ。ハル王子の真面目な家臣で、フォルスタッフと対になる役なのか?そうして観ると、少し物足りなさも。
たかお@シャロー
一幕はそれほどだったが、二幕でのボケ老人演技がスゴすぎ。最初、たかお氏とは思わなんだ。
辻@グレンダワー、高等法院長
グレンダワーがまさかのロマンスグレーなロン毛。役としては数シーンで、二幕では名前しか登場しないのだが、その髪型があまりに意外過ぎて。カツラだよね、あれ。
二幕では、国王の忠実な部下ということで、この扱いは『日の浦』的。コチラが本役のため、舞台占有率は高め。
実は、辻氏も蜷川シェークスピアに出演出るのは久々か。
瑳川@バードルフ
まさかの道化ポジ。普通なら、家臣団の一人なのだろうが、そういう役はやらずに、ひたすら道化。
今回、大掛かりな固定のセットは殆どなく、可動式ばかり。そのため、回廊のシーンとか、両脇に街灯だけなのだが、その舞台が長いこと、長いこと。あの舞台、セットを使わないとあんなに広いのか。
ハル王子と国王、ホットスパーの史劇パートとフォルスタッフの喜劇パートが交互に進むため、史劇モノでも、眠くならない。ナニゲに、台本の編集が上手いのかも。
なんと言っても、蜷川シェークスピアで、吉田氏、木場氏、辻氏の三人が同じ舞台に立つという、なんてダレトクな舞台!と思ったら、この三人が同じ舞台に立つのは、カテコぐらい。
それでも、この国王な木場氏は4時間20分の舞台でも、彩の国でも、観る価値有り。