ネタばれ注意


曽根崎の天神の森で、心中しようとするカップルが居る。『曽根崎心中』でここが有名になったため、一緒に死のうとするカップルが後を絶たないためだ。そこに半兵衛という男が邪魔に入る。実はこの半兵衛、森の外れで、饅頭屋を営んでいたが、心中カップルばかりが集まり商売にならず、何とかしようと思い、心中する気を変えようと妨害をしていた。
で、とりあえず家に招いたものの、どうすることもできないでいると、理由を聞いて励ましている妻。そして、心中を止めさせていた。
その様子を観て、有料の饅頭付きの人生相談を思いつく。それが成功し、一気に成金に。
そんなある日、娘の"おふく"から似たような方法の店があることを聞かされ、様子を見に行くと、その店は大変な賑わい。そして客はすべて取られていた。
これは全て、近松の本のせいと思い、殴り込むに行く半兵衛。が、実は執筆依頼で、曽根崎をテーマにした作品をもう一度書いて欲しいと依頼。が、其れ成りの話を聞かせて貰えば書こうと言われて追い返しされてしまう。
そんななか、おふくから結婚したい男がいると言われ、恋人を紹介されるが、かえって怒り浸透に。
で、冷静に祝福出来るようになったが、その準備をする金がない。なら、我々が心中し、近松に心中モノを書かせようと、川に飛び込む半兵衛夫婦。

しかし死にきれず、そこに最初に命を救ったカップルが。謝礼を貰い、何とか立て直す。で、濡れた饅頭から水差し饅頭というアイディアを思いつき、これで一儲けしようで幕。


とりあえず、第一印象としては、造作の凝った人形劇。
そもそも、文楽に関する素養が全く皆無のため、スタンダードな作品との違いが分からないし。

展開こそ三谷氏得意のありきたりな流れ(心中する2人に焦点が当たらず、脇役が主役設定)だけど、細かい笑いが結構有り。ただ、それが大オチに繋がらないし、そもそも大オチがない。

そのため、見終わっても面白かった~、とはならない。なんとなく、"PARCO歌舞伎"を観た時と似た感覚に。

それでも、『心中天網島』を見にきた半兵衛夫婦が、観劇中、つい、興奮して、立ち上がったりするかなりメタな展開とか、閑古鳥が登場したり、最後の川に飛び込むシーンでは、水中設定になったり。財政的に傾くと、実際、店が傾いていくのが凄かった。
生身の人間の舞台では、出来ない事って、こういう事か。

人形劇の演出としては面白かったけど、その台詞を話す人(浄瑠璃)の声がそれほど、好みでなかったのも、要因かも。


これを観て、人形浄瑠璃に興味を示し、観に行くってことは無いかな。元々、コクーン歌舞伎とかは観るけど、普通の歌舞伎を観ることは稀なタイプなので、わかってはいたが。