三谷演出版。
青木さんによる前説あり。
普通に歌う。そして、踊り、前列の客にチラシをあげるなどをしつつ、戯曲を投げ捨てたり。
その後、黒子が回収。そして、ロシア語による諸注意。途中、イクラのトリビア有り。
浅丘@主人公の櫻の園の女主。
衣装も含め話すだけで、その場の雰囲気を変えてしまう"舞台荒らし"。なんか、こう、お嬢というか、時代錯誤というか。それでいて、天然な笑いを攫っていく。いや、勿論、演出なのだが。
市川@櫻の園を落札する成金の実業家。
浅丘さんとは対照的な舞台の雰囲気を変える声質。勿論、ああいう声質なのは知っているし、それが百姓上がりに合うのだが。
神野@浅丘さんの養女
相変わらずの書体染みた声質。もう、この人が喋る度に内縁の妻というか薄幸キャラなのだが、この役に合いすぎて。好きだけど。
大和田@浅丘さんの実子で、明るい方の娘
相変わらずの可もなく不可もなくポジション。どうも印象に残らず。ただ、お嬢様というか、浅丘さんの娘に説得力がある。
藤井@万年学生にして大和田さんの相手役
段田氏の詰め襟学生服が印象に残る役だが、今回、学生服は着てない演出。単に髪の毛を気にするだけだが、学生に見えてしまう。基本、小芝居感が漂う演技だが、今回はチョイと違和感。
青木@手品が得意な家庭教師
この役って、ここまで話に食い込むとは思わなかった。基本、ボケなのに、本人属性からツッコミもするので、妙にキャラ立ち。
瀬戸@使用人その1
コチラもキャラ立ち。でも、本人の印象とは違った役。チャンスがあれば、抜け出そうとするのだが、ハナから諦めている。そんな印象の役なので、どうも役者本人と違和感が。
高木@使用人その2
声優としては、馴染みが有りすぎる人のため、発声が良すぎ。でも、歌わすとは(笑)
迫田@使用人その3にして、浅丘さんのヒモ?
ビジュアルイメージはオダギリジョー。ジゴロというか、今回の座組で唯一の初見のため、普通に役として見れる。
阿南@浅丘さんに金をせびる近所の人
必要があるのか無いのかな役なのに、巨漢でキャラ立ちに。これはやはり演じている役者に拠るものか。
藤木@浅丘さんの兄
佐藤慶氏、津嘉山正種氏とこの2人に勝るガーエフは観れないだろうと思ったら、居た。まずビジュアルからロシア人だし。良く『赤毛モノを日本人が演じても、そうは見えないという』というのが、違和感なし。まぁ、若干、高めな声のため、芝居に向くかというと、疑問だが。
老執事に子供扱いされるのだが、積み木遊びを真剣にこなし(あまりに一生懸命作って壊されるを繰り返す)、子供用外套をずっと着続けるのはツボ。途中、歌い出すのでは?というシーンがあったが、そこ歌わず。
江幡@老執事
相変わらずのスットボケジジイなのだが、今回それがより顕著に。途中、コーヒーの載った盆を迫田氏に渡して退場したりとメインと関係ない処でやりたい放題。パーティーシーンで、一回退場し、登場するのだが、このジジイならあり得そうで。退場する瞬間を見逃した。また、ラストは台本通り独白で終わるのだが、本当に一人取り残される(中にいるのに閉められる)。その後、藤木氏の作った積み木を破壊、大の字に寝っ転がり、幕。
今回、本当に喜劇に。睡眠も取ってはいたが、チェーホフで眠くならなかったのは凄い。多分、台詞のバックにピアノが入るので、それで誤魔化されている気もしないではない。
そして、笑う人が周りにいないと、笑いづらいのだが、今回の客席はそれはなかった。というか、笑ってヨイノカ?という処も、皆さん笑うし。それでも、一カ所、浅丘さんの真剣な処でそういうシーンがあり、きっちり笑いが起こるのが凄い。
場面は子供部屋のワンシーンのみ。内容的に屋外の処もあるのに、それも子供部屋で。でも、そういう風に感じさせない演出。流石に、子供部屋から入るのはどうなんだろうと思ったら、そこすらも笑いに。そして、その子供用の椅子に座る神野さんがなんかツボ。
翻案ということで、役者の細かいツッコミ(主に市川氏と藤井氏)があるものの、一番は浅丘さんに藤井氏に対して、『中学二年みたい』という台詞の追加かと。多分、厨二病の事だと思うのだが、あの流れとこの客層でどれだけの人が気づくのだろうか。そもそも、浅丘さん自身が理解して、使っているのかという。
チェーホフ作品では、ハムレット並みに色々なプロダクションで観ているが、ここまでアテガキなのは初。というか、自然過ぎて地味になる役もあったし。それでも、役者として見えるか、役として見えるかは演出のせいなのか?