ネタバレあり。
南北、2つに別れ戦争しあう国があった。
先代の王の急逝により、その息子によって治められる北国。その政治は側近の言いように操られていた。
一方、ゴダイという教祖によって治められてきた南国。20年前にゴダイが死んだことで、落ち着いていたが、最近、ゴダイと名乗る男が教祖として復活したとの情報が北国に入る。実は、20年前に暗殺一族出身のシレンが毒を利用し暗殺したのだが、体内の毒を排出し、生き返っていたのだった。再び、北国の将軍・キョウゴクの命を受けゴダイを暗殺しに南国に入るシレンに北国の若い武人ラギが同行。
無事、忍び込むが、キョウゴクが北国を裏切り南国についたために、失敗。その後、再びゴダイを暗殺しようと近づくが、そこでラギがシレンとゴダイの子であることが発覚する。同様するシレンは谷底に落ち、ゴダイはラギを後継者と迎え、自ら死ぬ。
ゴダイ死後、ロクダイと名乗り教団を引き継ぐラギ。キョウゴクはまた北に戻って、国王以外を皆殺しに。一方、シレンは生きていて、ラギと再会するが、キョウゴクにより、南国は猛毒で満ちていた。
ラギと和解したシレンは協力して、キョウゴクを倒す。そのまま去ろうとするシレンに、『これから、どの様に生きるのか?』と問い掛けるラギに対し、『人として生きていく』と告げ、幕。
藤原@ラギ。
この人のシャガレ声はデフォなんだろうか、と思ってしまう相変わらずのシャガレ。ただ、もう、ああいう話し方しか出来ないのか、(独白系の)蜷川芝居にしか見えない。と思って、二幕が始まり、教祖となると、ちょっとキャラ変。コトバ遊び的な台詞から、野田的展開に。しかし、あの白い衣装を観て、歌わない方のシローで観たいかも。
永作@シレン。
こちらは細い声で、最後まで、いのうえ演出に合わない、というか馴染まない。系統的には『朧』の真木的ポジに来るのかと思いきや、全くの独自路線を突き進む。発声そのものに大竹しのぶ的なモノを感じる。
高橋@ゴダイ。
完全に悪役路線。ドラマとかで、気が弱いから、強がりを演じるために悪役という展開とは観たことがあるが、ここまで悪役に徹すると新鮮。元々、声の低い役者なので、尚更。
三宅@ギセン。
北国の傀儡王。うわー、勿体なさすぎな使われ方。勿論、実は強いけどバカ殿と、キャラ立ちはしてるけど、出番が。こう、扱われ方が、新感線に客演するときの大人計画の皆川猿時みたいな。
北村@シンデン。
南国の将軍。うわー、勿体なさすぎな使われ方その2。というか、こういうポジションになっちゃうのか。『メタマク』とかは美味しかったのに。
石橋@ミサギ。
バーター?でも、それなりにアテガキしてしまう脚本家がスゴいというか、なんというか。普通に裏表の無い役。
橋本@ダイナン。
久々に普通の将軍かと思ったら、ホモ系イロモノキャラ。予想を裏切らない。
高田@モンレイ。
皇后キャラとこちらも定着。この辺のアテガキ感、最後の這い上がりエピソードとかいらなそうだけど、ないとやはり物足りないか。
粟根@モロナオ。
小悪党路線とコチラもいつも通り。メガネの執権が似合い過ぎる。
古田@キョウゴク。
主人公の仇役といつも通り。でも、美味しい処は持っていく。橋本氏がボケても、決して笑わない。
というか、この4人は基本ラインな役柄だけど、それを外さない。
河野@ヒトイヌオ。今回、一番目立った劇団員。もう、退場は必ずハードボイルドが流れるとか。
母子の近親相姦から始まり、父娘の歪んだ愛情と、珍しいテーマ。中島が何故にこれをテーマに?やはり、藤原氏へのイメージ?
そして、今更な新興宗教観とか。それに野田的なモノを感じてしまう。
いのうえ演出だが、今回はシンプルなセット。勿論、一幕最後の桜吹雪や二幕最後の赤い紙吹雪はかなり印象的なのだが。
全体的に観ると、ストーリーの破綻もなく(ツッコミ処は多々あるが)、分かりやすく、完全懲悪ないのうえ歌舞伎な展開。ただ、客演のメイン二人がかなり異質で、新感線の雰囲気とは違うため、『新感線を観た』感は薄い。そもそも、メイン二人が劇団員のボケに対し、笑わないというスタンスのため、それが余計に。ただ、これが複数回出演となると、堤氏のようにいきなり着ぐるみで登場とかになるのか?
井上作品のタイプの笑いでなく、新感線の笑いに走る藤原氏を観たいので、次回以降に期待。