一幕は息子の戦死を受け入れられない母と子の話。一転して、二幕は父親の不正とそれを受け入れられない息子と父の話。この2つが重なる家族の物語。
(パンフ続き)手紙にはジョーが不良品だと分かって飛行機の部品を出荷し、その罪をスティーブに押し付けたことが書かれていた。そして、その飛行機に乗ったことで、墜落し死んでしまった兵士がいることを知り、自殺するという内容だった。その手紙を読み、ショックを受けるケイト。一方、クリスもラリーがほとんど自殺同然で出征したことを知り、ジョーに読んで聞かせる。ジョーは『出掛ける(出頭する)』と言って家の中に戻るが、拳銃の音が鳴り響く。そして、打ちひしがれながら、家に入るケイトで幕。
タイトルの『みんな我が子』はジョージを我が子同然に可愛いがる処からくるのかと思いきや、ジョーのせいで不良機で飛んで墜落して死んでしまった兵士のことを指す。
『サラリーマン~』が父親の話なら、今回の話は母親の物語、かと思ったが、終わってみたら、やはり父親の物語。ただ、ひたすら暗い話ではなく、随時、明るい話題が入るものの、ケイトやジョージなど負の要因が差し込まれる。
2つの話が結びついた時が意外にスッキリ。
基本、翻訳ものなので、どうしてもセリフが平坦になる。そのため、役者によってはかなり違和感あり。
長塚。登場時は白髪で引退間近。ラフな出で立ちで妻の問題に困惑する夫的立場。一転、二幕ではスーツをビシッときめ、父親として家族を守るために問題に対峙する立場。
二幕で事件が起きたのが60過ぎ、それから3年経ったというセリフがあるので、65前後のハズだが、かなり老けメイク。話し口調は何時も通り。舞台で観るのは、かなり久しぶりなのだが、最近、長塚圭史出演作品を観ており、佇まいが似ているため、あまり久しぶりなカンジがしない。
全てを明らかにされた後の動揺・狼狽からクリスを殴ろうとするのだが、寸前で止まり、話し口調や態度からくる憤りみたいな感情表現が大変にツボ。
麻実。息子が生きていると信じる母親。その病的な演技は流石だが、あの気だるい口調は相変わらず。そんなボソボソと続くなかで、微妙な感情の変化(テリーが生きていると言い続ける理由が夫のためだったと分かる瞬間)その一瞬がツボだった。
田島。息子の存在が弱い。全体的にアンの存在が強いため、父親に反抗という設定が薄い。そもそも、父親が罪を犯してまでも、継がせたい息子なのか?
朝海。一幕登場時が、青いドレスと『一体、おいくつ?』という設定。イマイチ実年齢が不肖な女優さんだが、サバサバした役柄なため、違和感なし。ストレートで観るには問題なし。ただ、自分の父親より恋人を選ぶという動機が弱い。
柄本。出番は少ないのに、その目つきと話し方、それに存在感で持っていく。一幕でも諸処にダークな面があったが、二幕のジョージの登場で、一気にダークに。