立場の違う二人の男のそれぞれの倫理に関する物語。
家の購入を考えている医者がいる。そこに紙を持った中年の男が登場。その男の息子が交通事故に遭い、その医師のいる病院に運び込まれたのだった。その男が持っている紙は手術の同意書で、後はそれに父親がサインをするだけ。しかし、それを拒否する父親。それは宗教上の理由からで、"輸血"という行為に問題があるためであった。
医師は職業上倫理から父親にサインを求め、宗教上倫理から拒否する父親。途中、医師の患者の命よりも病院での立場が悪くなることような事は出来ないと、エゴを見せる医師。
そして、患者の危篤が告げられ、数秒の沈黙の後、自分の責任において同意書無しの手術を指示する医師。感謝をして帰る父親だが、『あと3秒その決断が遅かったらサインをしていた』と告げ、『この先もこの3秒を後悔して生きる』と言いながら退場して、幕。
西村。医師。冷静に問題に対処しようするが、段々、感情そしてエゴが見えてくる。しかし、最後には職業上立場より患者を助けようとする人しての倫理を優先。やはり、これは主人公(クレジット順なら)だからか?
映像と違い鼻にかかる声。舞台で観るのはこれで2回目だが、前回もだったので、そういう声なのか?前回の時は、開演して結構経っていたので、潰れているのか?と思ったが、単にああいう声なのかも。
近藤。こちらは優柔不断の様な性格だが、一点では決して折れない。そして、その信念ゆえに一生後悔することに。
これまでに数回、舞台を観ているが映像のイメージ通り。やはり、アテガキというものがあるなら、それは自分と脚本家の持つイメージ(敢えてその様に書いてかもだが)が近いのか?
終始、ステージの真ん中に上から下に落ちる水がある。最初は砂時計的意味かと思ったが、患者の心拍数と判明。
三谷脚本でこの手の社会派作品を観られるとは思わなかった。若干、別役作品な雰囲気。そして、観終わった後に、逆の展開(父親が折れるパターン)が観たくなった。プレビュー2日目を観たので、初日は逆の展開とか。
『笑いの大学』との共通点で、検閲官としての職業上倫理よりも、笑いを優先するという点で同じというレビューを観て納得。